吹田市、北九州市、京都府に追い越された広島市のサッカースタジアム建設、代々木スタジアム案浮上でますます窮地?

吹田市、北九州市、京都府に追い越された広島市のサッカースタジアム建設、代々木スタジアム案浮上でますます窮地?

トップ画像は国立代々木競技場第2体育館、この体育館から徒歩10分もかからない場所が新サッカースタジアム建設候補地として浮上している。まさに都心のど真ん中…(広島新サッカースタジアム取材班が今年5月撮影)


サッカースタジアム問題が遅々として進まない広島市民、関係者にとって、ショッキングなネットニュース(…と、ひろスポ!では考える)が7月29日、目に飛び込んできた。

広島市と松井市長、広島県と湯崎知事、広島商工会議所の深山会頭、さらには広島のメディアはいまだスルー状態だが、コメントのひとつでも流して欲しかった。Jリーグ誕生から25年もサッカースタジアム問題で手をこまねいている広島は、この”ネタ”とは無関係ではいられない。

そのニュースとは…

都内渋谷区内にある都立代々木公園内に複合型サッカー専用スタジアム建設案、浮上…である。

都関係者らへの取材で明らかになったという。このことひとつを取っても広島のケースとはまるで色合いが違う。都がリーダーシップをとることは明白で、都立代々木公園を新たなコンセプトで魅力ある空間に生まれ変わらせようという意欲が、広島まで伝わってくるようだ!?

スタジアムは約4万人規模。総事業費は約400〜500億円を予定し、都の関係者は現在、東京・府中市の味の素スタジアムを本拠地にしているFC東京を東京のど真ん中に誘致する、としている。

味の素スタジアムは陸上競技場との兼用スタジアムである。さらに政府は先ごろ東京五輪後に新国立競技場を球技専用とする方針を固めたばかり。そのため味の素スタジアムを味スタを陸上競技の聖地として再整備する案が出ており、代々木スタジアムには追い風が吹く。


このように、巨大スポーツ施設を考える場合は既存施設との役割分担決めが最初に行われるのが普通。

広島は、そこがうまくいっていない。織田記念ポールの立つエディオンスタジアム広島をいまだにサッカー場だと勘違している人が多すぎる。それは、東京のように「陸上競技場の聖地」はどこか、など最初に決めるべき事柄をあいまいにしたまま今日に至っているから、である。


エディオンスタジアム広島は陸上競技場の聖地…、画像左端の奥に立つのは織田ポール。広島出身で日本人初のオリンピック金メダリスト、織田幹雄さんがその際、三段跳びで記録した15メートル21センチの高さのポールで旧国立競技場にもあった。(広島新サッカースタジアム取材班撮影、画像はこの記事では割愛)


資金は民間事業者が負担。建設開始は2020年東京五輪・パラリンピック後。2025年までの完成を目指す、とお尻もきっちりしている。広島のように25年間も検討してきて資金負担者未定、建設開始時期も完成時期も未定、というのとはあまりにも対照的である。もちろん代々木の方も今は仮の仮のレベルではあろうけども、資金調達方法の基本や完成時期を決めない方が異常なのは誰にでも分かる。

ここで広島の関係者が気にすべきは、その都心スタジアムのコンセプトである。

都の関係者は「Jリーグのクラブに使ってもらえれば、隣の代々木競技場と合わせてスポーツの聖地とすることができる」と話しているという。広島市や広島県関係者が口が裂けても?言わないセリフである。

本来ならスポーツととも戦後復興を果たした広島市関係者が言うべき「スポーツの聖地」というこの7文字を広島新サッカースタジアム取材班はもう25年以上もスタジアム関係の取材を重ねる中、一度も行政トップや幹部の口から聞いたことがない。

いや少数派だがそのコンセプトを明快に話す関係者も少しはいる。サンフレッチェ広島前監督の森保一氏はそのひとりだろう。広島は貴重な人材をまたひとり、失った。暫定的に、と願いたいが…。

代々木公園内に複合スタジアムができれば大変な吸引力を持つ、都市の新たな舞台装置になるだろう。資金調達方法などは、吹田市の市立吹田サッカースタジアムなどを参考にするとしている。

その市立吹田サッカースタジアムは広島より遥かにあとにスタジアム建設案が浮上して、あっさり広島より先に完成したものである。昨年のちょうど今頃、広島市文化スポーツ部の杉山部長視察のため同スタジアムを訪れている。

情けない話ではある。本来なら広島市が吹田市に視察されるべき立場にあったはずだからだ。

水戸黄門風に言えば、広島市は北九州市にも「あとから来たのに」完璧に追い越され、京都府にもすでに追い越されつつある。

そして今度はあの小池知事率いる東京都の登場、である。スタジアム建設にはtoto収益の助成金が期待できるが、これとて地元がはっきりとこういうものを作ると手を挙げなければ助成対象にはなりえない。

東京五輪開催でスポーツ関連投資は五輪最優先となり、さらに五輪開催後の目玉事業でも広島が遅れをとるならば、待っているのは負け犬の遠吠え、長らく待たされている市民、県民はたまったものじゃない。

そんな悲惨な結末を迎えないためにも、「今」が何より大事なのだが、行政サイドのサッカースタジアム建設に向けた取り組みについて、今は報じるメディアもほとんどない。

ちなみに広島市が中央公園案調査などのために文化スポーツ部スポーツ振興課にこの春から設置したサッカースタジアム専門部署の名は「スタジアム調査担当」。

そう、繰り返しになるが少なくとも25年が経過して、いまだに「調査」の域を出ていないのである。

広島新サッカースタジアム取材班


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