画像は2014年8月20日に発生した広島市安佐北区、安佐南区などでの大規模土砂災害から2日目、8月22日午前6時ごろの安佐南区八木地区。災害の非日常と日常が背中合わせであることがわかる一枚。画像手前が広島市中心部側、女性はおそらく出勤か何かで、自衛隊員は画像左奥の全てが泥に埋まった悲惨な現場に向かう…

 

巨人の背中が一気に遠のき、阪神、DeNAと横一線になった。我らがカープ!の話だ。

交流戦明け、DeNA戦、ヤクルト戦に続いて阪神戦でも初戦を取られた。チームはこれで6連敗。貯金の残量計がゼロになった。

広島など西日本に豪雨による未曾有の災害がもたらされてから7月6日でちょうど1年になる。亡くなった方は中国地方だけでも200人を越え、広島県は全国最多の138人。街が水につかった岡山、広島では今もおよそ3700世帯、9400人が仮設住宅などで暮らす。

日常がなかなか戻ってこない子どもたちやそんな地域を励まし、元気づけると、マツダスタジアムで戦う面々は約束したはずではなかったか?

だが、いまだに広島球団が被災地の子どもたちをスタンドに招待した、などの話は聞いたことがないし、このような状況では「被災地のみなさんを元気づける…」とはならない。

今、広島のマチナカで一番良く聞かれる言葉は「どうやったらカープは勝てるん?」だ。

球団ホームページの一番目立つところには、現在、九州地方の「大雨の影響による発送の遅延について」というヘッドラインは確認できるが、肝心の被災地へのメッセージは見当たらない。

サンフレッチェ広島は7月6日、エディオンスタジアム広島で開催されるJリーグ、セレッソ大阪戦で「がんばろう広島」復興支援活動を行う。

被災地の子どもたちを招き、Jリーグ選手OB会(J−OB)の協力を取り付「がんばろう広島」復興支援ふれあいサッカーを開催する。サンフレッチェ広島OBの森崎兄弟らが関係各所に呼びかけ、手作りで実施にこぎつけたものだ。

当日、ふれあいサッカーのピッチには、広島市南区出身で株式会社セレッソ大阪代表取締役社長の森島寛晃さんら元日本代表メンバーなど9人のJ−OBが集まる予定だ。

カープは、いったい何のために戦っているのか?

それはカープナイン個々の、選手レベルでの問題ではなだろう。マツダスタジアムに宿っていると思われる野球の神様は、そこを見逃してはくれない。

そうでなければ広島にとって大事な日である7月6日のタイミングできっちり貯金ゼロにならないだろう。

前日(7月5日)までのマツダスタジアムでの6連敗は、緒方監督になって始めての“惨事”だ。

「神ってる」時には、その名言が生まれたオリックス3連戦も含めて本拠地12連勝をマークした。2017年にも7連勝があった。そして豪雨大災害のため阪神3連戦が中止になった2018年の7月には、やはり地元8連勝の快進撃があった。

ところが今季はマツダスタジアムで19勝19敗1分け。最下位のヤクルトに3連敗したことで、とうとうデッドラインを迎えてしまった。そんな状況で敵地に乗り込んだところで勝てるはずもない。

広島では2014年8月にも大規模土砂砂災害が発生した。この時、夜明け前までに広島市役所には被災地などから緊急連絡が殺到したが、対策本部もなく警備員が電話対応しただけ。広島市の松井市長は自宅におり、「どうして登庁しなかったのか?」の記者らの問いには「寝たり休んだりしていた」と珍答。その間に市民の財産と命がどれだけ失われたか…この件は市議会でもずいぶん叩かれた。


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広島市議会関係者からは、2014年8月の大規模土砂災害の際、広島球団に試合開催の是非を問う打診も出された。検討の結果、この時はマツダスタジアムで開催予定の試合が延期されることはなかった。

そのため、試合当日のマツダスタジアムのスタンドにはあちこちにぽっかりと穴が空いたように空席ができていた。マツダスタジアムから車で2、30分の場所で家も財産もみな流されて野球どころではない市民が大勢いたからだ。

空席の目立つそのスタンドの下には災害時用の物資の備蓄倉庫がある。試合開始前、スタンドの賑わいをよそに、そこから緊急物資を運ぶためのトラックが被災地に向け出発した。取材していたメディアはゼロだったが…


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7月5日、デイリー新潮が「マツダスタジアムの神通力消えた」の記事をアップした際に、この場では次のように記した。

「神通力」が「消えた」とあるが、マツダスタジアムで公式戦が行われるようになって以来10年以上見てくる中で、「神通力」などはない、と考える。ただし、平和都市広島において、その”都市格”ともいえる世界に誇る広島市民球場、マツダスタジアムには、野球の神様が宿っている。その神に背くとどうなるか…

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長らくマツダスタジアムを見続けてきたから、無理にこじつけようとかどうとか、とそういう話ではない。

「その神に背くと、どうなるか」

その答えが、7月6日、広島の特別な日においての貯金ゼロ。

正に平和都市広島の天からの声、ということになる。

ひろスタ!特命取材班