画像はJR広島駅そば、人情味溢れる飲食店などが軒を連ねる「エキニシ」、1月14日午後6時前撮影、手前の2店は元気に営業していたが、その先は店の灯りが消えている。広島県は1月3日までの時短営業要請などを7日に延期し、さらに国の方針もあって2月7日まで要請期間延長となった…


広島市PCR検査80万人の衝撃、後手に回った湯崎知事と松井市長、一方宮崎は無観客キャンプへ、ならばせめてマツダスタジアムPCR検査臨時センターを開設しては?

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1月15日午前、ネットニュースからNHKBSニュースまで、様々なメディアで広島の“惨状”が報じられた。

ヘッドラインは「広島、市民ら80万人大規模無料PCR検査」…

この知らせに橋下徹氏は「今の日本はアクセルブレーキが欠陥の車。誰が運転しても事故を起こす」とツイッターにアップした。ひろスポ!の前回の以下の記事でも、宮崎県の状況について似たような表記を使った。


県境超えて大移動の12球団コロナ禍一斉キャンプインの不思議、日南から沖縄変更の広島はマツダスタジアムでできないか?川崎フロンターレ中止発表の宮崎はブレーキ踏みながらアクセル…(1月13日配信)


上記記事で宮崎県での2月1日プロ野球同時キャンプインの「不思議」についても記した。案の定、15日午前の段階で、宮崎県が宮崎市、日南市、西都市、日向市で行う6球団のキャンプを無観客にすることが報じられた。

 
こうなってくると 「緊急事態並み」と報じられる沖縄県もこの動きに追随する可能性がある。ロッテはすに14日、沖縄県石垣市で行うキャンプを無観客にすることを発表している。

 

広島に話を戻すと、広島市が全国初となる“国の緊急事態宣言対象地域に準じた対策”の対象となった。これは、いろいろな意味で大ニュースだ。

前日(14日)の会見で西村経済再生担当相が発表したものだが、それと前後して広島県でも新たな対策などがこの日、湯崎知事の口から明らかにされた。

広島市を国内コロナ対策の新たなモデルケースとしたいからなのか?

どうにもこうにもならなくなって国から“警告”を発せられたのか?

その両方なのか?


少なくとも、昨年の新型コロナウイルス感染確認以降、広島市や広島県、湯崎知事や松井市長の動きを“外野”から見ていると、国の動きに追随するだけで、思い切った独自路線を打ち出してこなかったように感じる。実際、記者クラブ界隈からもそんな声が聞こえてくる。

「広島80万人」に反応した橋下徹氏はそのツイッターの中で、コロナ対策では店舗時短などの社会経済活動のアクセルブレーキはピンポイント戦略で地方に委ね、感染が拡大すれば国の出番、と持論を展開している。広島はその「ピンポイント」対応に失敗したと言えるだろう。

広島県の新型コロナウイルス感染者数は昨年12月以降、瞬く間に激増した。それは国内他都市と同じ傾向ではあるがいきなり赤信号になったところが他と異なる。


12月、一日あたり10人、20人台だった新型コロナウイルス感染者数はあっという間に60人、70人台になり12月17日には3桁の137人に膨れ上がった。12月25日には141人に達した。ありがたくないクリスマスだった。

年明けも高い数値で推移して1月8日にまた119人、3桁になった。

恐ろしいのは亡くなった方の数だ。亡くなった方の数をグラフにして目立つところに掲示した方がいいだろうに、そうしたものは目に触れないようにしているのか?

昨年1月から12月まではわずか6人だった亡くなった方の数が12月12月15日に初めて1日でふたりと複数になり、大晦日には6人に増えた。年明け以降も、5人、4人、3人というのが当たり前のような状況だ。


残念なのは、このまさに緊急事態にあって亡くなった方の情報が詳しく報じられないことだ。プライベートや守秘義務とは別に、感染対策、死者を増やさない対策のために必要な情報まで封印されているのではないか?

事実、県側が隠蔽しかけたような経緯を辿ったケースもある。

広島県と広島市は12月20日、新型コロナウイルスに感染し、入院を待っていた広島市の60代の感染者が亡くなったと、なんと6日遅れで発表した。

亡くなった男性は濃厚接触者として検査を受け13日に陽性と判明した。発熱や血痰があり、14日には広島市南区の県立広島病院を受診した。そこで心筋梗塞や糖尿病などの持病があることが確認されたのに「ただちに入院は必要ない」と言われ自宅待機にとなり、その日深夜に帰らぬ人となった。

県の担当者は「以前なら陽性判明の翌日には病院か療養施設に入れており、全体の業務が滞っていることは否めない。結果的に入院前に患者が亡くなったことは重く受け止めたい」と話したという、一方で対処は適正だったとする声もニュースには残されている。



この時期、実はすでに病院へも感染者用ホテルにも入れない患者の数が急増していた。この亡くなった男性が自宅待機者として自宅に戻された日、待機者は452人に達していた。

男性が亡くなる3日前の12月11日、広島県内の感染者は初めて100人を超え112人になった。そのうち広島市が65人。湯崎知事はこの日、1月3日までの広島市中心部の飲食店の時短、酒類提供時間の短縮要請を決めた。これもやっぱり対症療法であり、先手じゃない。

実はこの日、広島市街地のど真ん中、NTT袋町ビルではビル壁面を「ふくろまち Wall Park」としてリニューアルしたセレモニーが開催されていた。「この時期にやらんでもええじゃろうに…」とは近所の市民の声。

式典に参加した松井市長は関係者にコロナの話を振られて「対策をしっかりしている」という主旨の言葉を返していたというが、それはまったくの見当違い。その夜、唐突感満載で平和大通りのドリミネーション中止が発表された。

松井市長に関してはネットに「どこに行った?」など、コロナ対策でほとんどテレビカメラの前に立たない市長の姿勢に対する疑問の声が相次いでいる。


どうして地元メディアはそこに焦点を当てないのか?


地元オピニオンリーダーの中国新聞も菅首相を批判する暇があるなら湯崎・松井批判だろうに…


翌12日も県内104人の感染が確認され広島市が78人だった。10万人当たりで東京都の1・5倍に達する感染率日本一、となった。指揮官不在の広島市の辿る運命はもう決まっていたようなものだ。


サッカースタジアム建設費問題や旧陸軍被服支廠保存費用問題でまったく折り合わない湯崎知事と松井市長の関係が、そのままコロナに反映されたかっこう。ただし、コロナは人命に直結、罪深い…


松井市長を支えるべく、メディア対応を一手に引き受ける阪谷幸春・保健医療担当局長が2020年4月2日の最初の注目すべき会見で言い放った「我々に任せていただきたい」の言葉。

それが最終的には西村経済再生担当相と松井市長の2者の意思決定でGOサインが出される、国内初の広島市への緊急事態宣言「準指定」に繋がったことを肝に銘じておくべきだろう。

西村大臣は、松井市長が発災当時に自宅で「寝たり休んだり」して無策のまま70人以上の死者を出した広島市大規模土砂災害の際、副大臣として広島を訪れている。広島市民の”ひとり”として頭の下がる思いだ。


12月14日夜、菅首相がGo To トラベルの全国一時停止を決めた。12月28日からとなっていたが広島県は16日、広島市を目的地とする旅行への割引適用が同日から一時停止になったと発表した。Go Toの恩恵を受けた宮島にはこの秋、修学旅行生や観光客が押し寄せ、広島一の歩行者通行量を誇る本通りも人で溢れていた…


国の方針をそのまま追従した結果がこの始末…少しは県や市独自の方策を打てなかったのか?


12月15日、湯崎知事が17日から1月3日まで、酒を出す店の営業は午後8時まで、酒類提供は午後7時までとすることを発表した。カープが県庁となりのリーガロイヤルホテル広島で新入団会見を開いた日だ。

だが、繰り返しになるが時すでに遅し。

12月18日には広島県医師会の松村誠会長が県庁で緊急会見。テレビカメラの前で「あなた自身の行動を変えあなたを守り、広島の医療を守ろう」と呼びかけた。広島市医師会の佐々木博会長は「わずか2週間足らずで崩壊し始めている」と危機感を露わにした。ニュース画面では右上に「医療崩壊始まっている」のサイドスーパーが出っぱなしになっていた。


広島市では前日17日に県庁北隣の広島市民病院において10人のクラスターが発生していた。同病院の職員約1800人全員のPCR検査に時間がかかり、救急搬送もストップ。広島市では昨年4月に舟入市民病院の看護師らにクラスターが発生したのにまた同じ轍を踏んだことになる。


医療現場のみなさんはいっぱい、いっぱいで疲労困憊。行政側の人的、資金的な後方支援なしに「戦え」と言われているようなもので、部隊が次々にダメージを受ける姿をイメージできないのか?


患者も患者で、意図的かどうかにかかわらずとても手がかかるケースが多い。コロナでホテルに収容されながらタバコを吸い、こっそり外出する輩もいる。チェックする側はフル装備だが、はっきり言って法的強制力なしのコロナ対応は空砲しか打てない銃器携帯で戦場に立つのといっしょ…


湯崎知事も松井市長もホテルや医療施設に一週間泊まり込み、電話に出ない患者のフロアへN95マスク装着の看護師の後ろからついて行き、患者のドアをノックして何が起こっているか確認した方が良くないか?



 
ダメ押しになるが、昨年12月半ば、 広島市では人口10万人当たりの新型コロナウイルス感染者数が全国20の政令都市で最多となった。その直近の一週間では東京、大阪を合わせた感染者数が全国の3分の1を占めたが、その東京都の26・22人や大阪市の33・61人よりも多い38・93人だった。

広島市は昨年最初の新型コロナウイルス感染者に関する会見から一貫して、必要だと思われる情報も出してこなかった。市民の不満はネットなどにアップされたが、それでも情報の透明性は確保されないまま、けっきょく全国ワーストの一番ありがたくない称号を受けることとなった。


広島県では待機男性の死亡のあと、自宅待機患者振り分けの担当者を増やした。そのためだろう。待機者の数は現時点では200人ちょっとまで減少した。やればできる。それをやってこなかったことが逆に明らかになった?

こうして市民県民の命にかかわることなのに先手を打たず、そうこうしているうちにとうとう、国の助けが必要になったのではないか?


国から“名指し”された広島市では特に感染者が多い中、西、東、南の4区の住民や通勤通学者を対象に無料のPCR検査を実施する。その数80万人。マツダスタジアムの年間来場者を200万人とするならばその4割…どうやって捌くのか?

加えて広島県が独自に行っていた広島市中心部の酒類を出す飲食店の時短要請などは広島市全域の飲食店、喫茶店、居酒屋、スナック、カラオケボックスなどに一気に対象が拡大され、同時に国の補助金を加え協力金が上乗せされる。

まさに非常時であるから困った人たちを助けることは最優先。ただし、広島市中心部の歓楽街では昨年末までに廃業が相次ぎ、こうした居抜き物件で店舗をオープンしてすぐ休業するケースが相次いだ。フィリピン系パブだけでも同時に3、4件オープンしたという。フィリピン系の店からは昨年末、クラスター発生の報告があったというのに、だ。

さてプロ野球で言えばキャンプを宮崎や沖縄でやるぐらいならカープはマツダスタジアムを使えばどうか?とひろスポ!では前回、書いた。だが、こうなってくるとキャンプどころの騒ぎじゃない。

PCR検査をいかに素早く、幅広く行うか?

それにはマツダスタジアム(東区に隣接する南区)のような広い空間で密にならない検査システムを構築する必要があるのではないか?

広島市にはほかにも旧広島市民球場跡地(中区)という“素晴らしい”空き地がある。

今やまったく影の薄くなった新サッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(中区)もある。ドライブスルー方式もOK!

西区と言えば、広島ドラゴンフライズの本拠地、広島サンプラザホール隣接の大駐車場群や緑地公園もある。


PCR検査は時間との戦いになる。すでに、16日から始まる大学入学共通テストで、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者と特定された受験生がPCR検査を受けられない事態が問題となっている。広島県は国内大学進学率トップ5の進学県だ。まさか、ここでも後手に回ってはいないとは思うが…



昨年2月の中国・武漢には世界を驚かせたあの「雷神山医院」などの緊急医療施設が開設された。果たして広島はどんな独自色を出せるだろうか…?


広スタ特命取材班

※さらに詳しい広島「ネタ」カープ「ネタ」は、2000年10月よりカープをウオッチングし続けている(一日も休まず更新中)携帯サイト「田辺一球広島魂」で