将棋の藤井聡太名人=竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖=に豊島将之九段が挑戦している第82期名人戦七番勝負第4局が19日、大分・別府市「割烹旅館もみや」で前日から指し継がれ、後手の藤井聡太名人=竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖=が挑戦者の豊島将之九段に敗れ、ストレートでの名人初防衛とはならなかった。第5局は26、27日、北海道・紋別市「ホテルオホーツクパレス」で指される。

 戦型は、豊島が3手目に端歩を突く一手を入れたことで、通常とは先後を入れ替えた形での横歩取りに。序盤から、互いに大駒が行き交う華のある展開となった。

 2日目に入り、難解な中盤戦に。豊島の厳しい攻めが続いたが、藤井もうまく対応し、形勢は互角のまま最終盤へ。最後は豊島に軍配が上がった。

 23年度は勝率8割5分1厘という脅威の数字を残した藤井だが、今年度はここまで4勝3敗の勝率5割7分1厘と苦戦気味だ。

 現在は叡王とのダブルタイトル戦中。初めて先にカド番に追い込まれている伊藤匠七段との叡王戦五番勝負第4局は31日、千葉・柏市で指される。仮に名人戦がストレートで決着すれば、日程にやや余裕が出来ていたが、それはかなわず。名人戦と叡王戦を同じ週に戦う過密日程が続くことになった。

 叡王戦で八冠堅持に黄信号がともっている状況は変わらないが、第5局での名人初防衛でいい流れを摑みたいところだ。