第162回芥川賞・直木賞の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれた。

 直木賞には、川越宗一さん(41)の「熱源」(文藝春秋)が初の候補入りで選ばれた。

 湊かなえさん(46)の「落日」(角川春樹事務所)は4回目の候補入りも選に漏れた。

 正賞は時計で副賞は100万円となる。

 ◆そのほかの候補作 小川哲さん(33)「嘘と正典」(早川書房)、呉勝浩さん(38)「スワン」(KADOKAWA)、誉田哲也さん(50)の「背中の蜘蛛」(双葉社)、湊かなえさん(46)「落日」(角川春樹事務所)

 ◆直木賞選考委員 浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、宮城谷昌光、宮部みゆき

 今回の選考について、選考委員を代表して会見した浅田次郎さんは「今回は初ノミネートという方が多くて混戦が予想されましたが、第一回の投票で川越さんが一歩抜きん出ていた。2回目の投票の4作が残りました」とした。

 「その結果として、川越さんの作品に決定した。アイヌという異民族への解釈が優れていた。逆に少しアイヌへの理解は足りないのではという意見もあったが、近年まれに見る大きなスケールで小説世界を築き上げていた。登場人物も生き生きと魅力的だった。そうとう難しい資料で大きな作品を書いたと評価した」と受賞理由を明かし、「(決戦投票に)3作残すかか4作残すかの議論があった。二次に小川さん、誉田さんを残し、そこに湊さんを加えるかどうかという議論があった。小川さんが次点でした」とした。

 「湊さんの作品は個人的意見ですが、数を書いてらっしゃる、売れてらっしゃるということでストーリーテリングには一日の長があった。湊さんを決戦投票に残さないのはおかしいのではないかという意見があった。売れているということは支持があるということ。そこで湊さんも加えたが、あまり強く押す意見がなく残念でした」とした。