厚生労働省は12日、横浜港に入港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内で作業にあたっていた男性検疫官1人の感染が確認されたと発表した。乗船者39人の感染も新たに判明。国内感染者は203人となった。

 感染が確認された検疫官は、3日夜から4日夜までクルーズ船の乗客から質問票を回収し、体温測定をする業務に従事。マスクや手袋を着け、作業ごとに手の消毒をしていたが、防護服やゴーグルは着用していなかった。

 その後、検疫官は5〜7日には検疫所で通常勤務。マスクをしないこともあった。9日に発熱し、10日に医療機関を受診後、感染が確認された。既に入院しており、症状は落ち着いている。家族や同僚らの濃厚接触者で症状を訴えている人はいないというが、厚労省は検疫官が乗客ら何人に対応したかなど、濃厚接触者の人数を調べている。

 厚労省は5日以降、検疫官に乗客の直接の体温測定をさせていない。乗客・乗員以外の感染確認を受け、船内で活動する検疫官や医療スタッフらが取るべき感染防御策を改めて確認し、徹底する方針を示した。

 12日までに検査した乗船者延べ492人のうち、感染が確認されたのは174人に。下船した感染者は東京や神奈川など1都8県の医療機関に入院している。重症者は5人おり、2人は集中治療室(ICU)で治療を受け、2人は気管に酸素を送るなど呼吸管理が必要な状態。このほかに感染の有無が分からない重症者が1人いる。日本人は3人で60代男性1人と70代男性2人。またこの日、国内では初めて10代の感染者が確認された。

 安倍晋三首相はこの日の対策本部会合で、これまでの中国・湖北省に加え、浙江省に滞在していた外国人の入国を13日午前0時から拒否すると表明した。重ねて、感染が懸念される人へのウイルス検査に監視、これまで湖北省に渡航歴があるなどの要件に限定してきた運用を見直し、地方自治体の判断で実施するよう要請した。