新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、百貨店業界が売上高約4割減、旅行業界が予約件数9割減と「リーマン・ショックや東日本大震災を超える」打撃を受けていることが24日、明らかになった。一方、ドラッグストア業界では一部チェーンで売上高2割増、スーパー業界は5か月ぶりのプラスに転じた。コロナが消費に与える影響は、明暗をハッキリと分けている。

 「厳しい状況が続いている。リーマン・ショックや東日本大震災を超える大逆風だ」。日本百貨店協会・山崎茂樹専務理事の嘆きは、コロナによる打撃が過去最大級に達していることを表した。

 同協会によると、3月の全国百貨店売上高は既存店ベースの前年同月比で約4割減、訪日外国人の免税売上高は約8割減になる見通し。外出自粛や訪日外国人の減少による影響が直撃しており、このまま推移すれば過去最大の落ち込みとなる。

 同時に発表した2月の全国百貨店売上高も12・2%減と5か月連続のマイナスに。暖冬で冬物衣料の販売が不調となる中での二重苦となった。

 影響はデパートでの消費にとどまらない。航空やホテル、旅行会社なども大打撃を受けている。

 赤羽一嘉国土交通相は宿泊業の3、4月の予約が施設によって前年同月比30〜90%減の見込みと明かした。2月の10〜50%減から大幅に悪化している。航空業は4月の輸送人員で国際線が46%減、国内線が45%減の予測に。近畿日本ツーリストを傘下に持つ旅行大手KNT―CTホールディングスは旅行自粛や予約キャンセルの影響を受け、3月期連結純損益予想を大幅に下方修正し、20億円の黒字から98億円の赤字に見直すとした。

 一方、皮肉にもコロナの影響により業績が上向いている業界もある。ウイルス対策商品のマスクや消毒液などを扱うドラッグストア業界では大手のウエルシアホールディングスが2月の既存店売上高で20・6%増、マツモトキヨシホールディングスも8・0%増だった。

 外出を控え、自宅で過ごすことによる「巣ごもり消費」の影響でスーパー業界も好調に推移する。日本チェーンストア協会が発表した2月の全国スーパー売上高は既存店ベースで前年同月比4・1%増。日用品や食料品の需要が高まり、5か月ぶりのプラスに。2月の主要コンビニ7社の既存店売上高も前年同月比2・6%増となった。

 しかし、好調な業態でもさらなる感染拡大への懸念は大きく、同協会の井上淳専務理事は「所得や賃金に影響が出てくれば、消費全体が減退する」と危機感をあらわにしている。