【二宮寿朗の週刊文蹴】松田直樹さんの死から6年…Jで広がるAEDの輪

【二宮寿朗の週刊文蹴】松田直樹さんの死から6年…Jで広がるAEDの輪

 希代の名ディフェンダー、松田直樹さんが天国に旅立ったのが6年前の8月4日だった。今年は七回忌にあたる。

 当時JFLの松本山雅に移籍してJ2昇格を目指していた松田さんは練習中に倒れ、急性心筋梗塞で帰らぬ人となった。あまりに突然の別れに、多くの人が涙した。

 いくら健康なスポーツマンでも襲われてしまう。消防庁のホームページによれば、2015年の心原性心肺機能停止による救急搬送は全国で7万3697件にも及ぶ。一般の人が傷病者を目撃して心肺蘇生を実施したケースは2万4496件中1万3672件。そのうちAED(自動体外式除細動器)の実施は1103件と前年より73件増加している。AEDの普及のみならず、使用法の認知が広がっているとも解釈できる。

 松田さんの姉・真紀さんは看護師として働きつつ心肺蘇生、AEDの活動を続けており「地域で人を守っていくというスタンスが大切になってくるのではないでしょうか」と語る。昨年3月に甲府のホームで行われたナビスコ杯(現ルヴァン杯)では、観戦中に心停止に陥った観客に対して救護ボランティアがAEDを実施している。

 甲府は医師の提案を受けて06年からAED携行の救護ボランティアを各スタンドに5、6人配備してきた。無線機を持ち、何かあれば本部にいるドクターに連絡できる態勢を取っている。適切な初期対応から迅速に救急搬送され、女性は無事だったという。甲府の取り組みこそが「地域で人を守る」メッセージだといえる。10年以上にわたって応急救護の認知を地道に広げ、定着させてきたことが、かけがえのない命を救った。地域から応急救護を発信し、輪を広げていくのも地域に根差すJリーグのクラブの大切な役割ではないだろうか。

 多くの命が救われますように。松田さんの遺族の切なる願いである。(スポーツライター)

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