【世界陸上】ボルト、3連覇ならず ラストラン0秒03差銅

◆世界陸上第2日(5日、英ロンドン)

 【ロンドン5日=細野友司】男子100メートル決勝で、今大会限りでの現役引退を表明している世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)は9秒95(向かい風0・8メートル)で3位に終わり、有終の3連覇はならなかった。五輪&世界選手権の決勝で敗れるのは、フライングで失格した11年大邱世陸を除けば自身初。金メダルのジャスティン・ガトリンと銀メダルの新鋭クリスチャン・コールマン(ともに米国)をたたえ「ベストを尽くしたから後悔はない」と晴れやかに語った。

 まるで金メダリストのようだった。ボルトだけが呼び起こせる歓声と感動だ。「ベストを尽くした。勝てなかったのは残念だけど悔いはない」。世界最速の銅メダリストは悠然と会場を1周し「ユーセイン(ウサイン)・ボルト!」のコールに応えた。母・ジェニファーさんと抱き合い、駆け抜けた第4レーンのトラックに、そっと口づけした。ゴール付近で代名詞の弓を引くポーズを決め、舞台俳優のように何度も客席へ頭を下げた。

 レース開始10分前、全裸の男性が乱入して100メートルのトラックを走るハプニングが起こった。6万人収容の会場は異様な興奮に包まれた。リアクションタイム(号砲への反応時間)は8人中7番目の0秒183と出遅れたが、ラスト20メートルで猛追。頭を思い切り突き出してゴールに飛び込んだ。08年北京五輪を当時の世界新(9秒69)で圧勝した時は、両手を広げて最後の数歩を流していた。100メートルのラスト1本は、必死に勝ちにいった。それでも0秒03届かなかった。「北京の金も思い出深いが、今日負けたのも含めて全てが大事なレースだ」。4月に親友が交通事故死。悲しみのあまり約3週間、練習を離れた影響もあった。

 かつて、96年アトランタ五輪2冠のマイケル・ジョンソン氏に「なぜ引退したんだ」と尋ねたことがある。「やりたいことは全て成し遂げたからだ」と答えが返ってきた。100メートルは五輪と世陸でそれぞれ3度の金メダルに輝き、100メートル9秒58、200メートル19秒19の世界新を樹立。北京五輪以降、世界大会ではフライングで失格した11年大邱世陸100メートル以外、全て金メダルを手にしてきた。「こういうレースでキャリアを終えられたのは良かった」。先人と同じ境地に達した今が、引き際だった。

 世陸でのメダル数はマリーン・オッティ(ジャマイカ)に並ぶ14個。世界大会初の銅メダルにも「私のキャリア(の価値)は何も変わらない」と誇りは揺らがない。V5を目指す12日(日本時間12日〜13日未明)の男子400メートルリレーがラストランになる。記録にも記憶にも残る人類最速のスプリンターが、世界中に惜しまれつつトラックを去る。

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