巨人・原辰徳監督(61)が11日、東京五輪での侍ジャパン入りに期待がかかる岡本和真内野手(23)の“こっそりアピール”に成功した。この日、稲葉篤紀監督(47)ら、侍ジャパン首脳陣が視察。打撃練習中に、原タワー上で突如始まった「原・稲葉・岡本会談」の中で「開幕から結果を残していれば、可能性もあるんじゃないか?」と岡本にゲキを飛ばした。稲葉監督も「しっかりと見ていく」と状態を注視していくことを明言した。

 さりげなく、それでも強烈な印象を残す。原監督の必殺“セールストーク”がさく裂した。本塁後方に設置された原タワーに原監督、稲葉監督、岡本が並んで座る。「開幕から結果を残していれば、可能性もあるんじゃないか?」。東京五輪での侍入りへ期待がかかる岡本に対し、稲葉監督越しにハッパをかけた。2分間ほどの会話だが、岡本と侍を見えない糸で結んだ。

 稲葉監督が巨人のキャンプ地に到着した午後0時56分、ちょうど岡本がフリー打撃を行っていた。ケージ後ろから原監督や侍首脳陣が視察。一段落したところで稲葉監督と原タワーに並んで座ると、打撃練習を終えた岡本があいさつに訪れた。タワー下から「岡本です!」とあいさつする自軍の4番をすかさず呼び寄せ、いきなりの3者会談を始めた。そして、冒頭のシーンへと流れていったわけだ。

 練習後、岡本を交えてどんな会話をしたのか問われると「うちの若大将だよ、と(紹介を)ね」と冗談でけむに巻いた。だが、稲葉監督は「三塁はジャパンでも大事なポジションでもありますから。(岡本を)しっかりと見ていく。原監督もそういう話もしていただきました」と話す。もちろん原監督に、一個人を推薦したい思いは毛頭ない。だが、その影響力によって“サイレント・アピール”になったようだ。

 他にも稲葉監督からは、昨年のプレミア12を通じて出た戦術的な疑問や選手起用など質問を受けた。原監督は「監督が動かないと試合は動かないよ」と伝えた。機を見た割り切った勝負が、将には必要と説いた。

 当の岡本は、冷静に足元を見つめている。「僕が一方的にあいさつしただけです。まずはチームのことが一番で、まだ侍は見ていない。しっかりとチームの勝ちに貢献出来た中で、代表に選ばれたならうれしいです」。まずは巨人で結果を残す。連日、バットを振りまくり、左手のひらのマメはつぶれた。痛がる顔も、どこか誇らしげだった。(西村 茂展)

 ◆岡本と侍ジャパン 昨年3月にメキシコとの強化試合(京セラD)で2試合にメンバー入り。初戦は4番を任され、3打数無安打。2戦目は出場機会なし。その前は2018年の日米野球で、待望の侍ジャパン初安打を放っている。