メジャーのキャンプが12日(日本時間13日)、スタートした。ヤンキース・田中将大投手(31)は、11日に死去した楽天時代監督だった野村克也さんに「いろいろなものを教えていただいた」と感謝を込めた。

 田中が恩師・野村さんへの感謝を胸に、メジャー7年目をスタートさせた。今年がヤンキースとの契約最終年であり、渡米の際には「ワールドシリーズ制覇を目標にやっていきたい」と力強く語った右腕。キャンプイン前日の12日は、キャッチボールなどで汗を流し、練習後は寂しそうな表情で報道陣の取材に答えた。

 野村さんの息子で楽天の野村克則作戦コーチから訃報を聞いた時、「言葉にならなかった」と言う。そして、脳裏によみがえったのは2013年リーグ優勝を決めた西武戦(9月26日)だった。4―3で迎えた9回に4年ぶりのリリーフ登板。1死二、三塁のピンチを招いたが、栗山、浅村に8球連続で外角低めの直球を投じて、見逃し、空振りの連続三振に仕留めたシーン。「野村監督に教え込まれた原点。外角低めに投げることを口酸っぱく教えていただいた。本当にピンチの時に、その言葉がふと降りてきて、それを自分で体現することができた。すごく大きな出来事だった」。球史に残る熱投の背景には、恩師の教えがあった。

 プロ入りした時の監督であり、1年目の07年からローテーションに起用し「マー君、神の子、不思議な子」と言わせ、そして初のクライマックスシリーズに出場した09年には「神様、仏様、田中様、稲尾2世ができたね」の名セリフもあった。

 それだけに田中は、「僕にとってプロ野球の世界に入って一番最初の監督。野球に対してものすごくたくさんの引き出しを持っていて、野球とは何かを常に深く考えている方だった」。

 最後に会ったのは、17年オフ。テレビ収録で控室にあいさつに行った。「まさか、それが最後になるとは思っていなかった。メジャーに行ってからは、たまにお会いすると『もう手の届かん人になってしまったなぁ』と言われた。最後も言われたような気がする」と、懐かしがった。