東京五輪の聖火が20日、宮城・東松島市の航空自衛隊松島基地に到着した。会場は10メートルを超える強風が吹き荒れ、新幹線の遅延で橋本聖子五輪相(55)らが式典の開始に間に合わず、式の開始も25分ほど遅れるなど、ハプニングが続発。新型コロナウイルス感染拡大の影響で通常開催を危ぶむ声も上がる東京五輪が、“逆風”にさらされている現状を示すような聖火の迎え入れとなった。

 五輪の聖火が到着する晴れの舞台を待ち受けていたのは思わぬ暴風だった。低気圧の発達により、到着式の会場となった航空自衛隊松島基地は朝から強風が吹き荒れた。東松島市では午前9時に12・5メートルの北西風を記録。飛行機の格納庫以外に遮る物が何もない滑走路では立っているのもつらい状態となった。さらに風が強くなる可能性があることから、ギリシャから聖火を運んできた「TOKYO 2020号」は予定より早く着陸することを決断。機体を揺らしながらも開式予定より1時間24分早い午前9時36分に到着した。

 風の影響はまだ続く。朝から東北地方の電車のダイヤが乱れ、新幹線も大幅に遅延。東京から向かっていた橋本五輪相や萩生田光一文科相(56)をはじめとした国会議員ら多くの来賓が予定時刻に到着できない事態となった。主催者は開始を25分ほど遅らせて始めたが、橋本氏らの到着は式途中の午前11時40分過ぎで、予定されていた祝辞は行われなかった。

 松島基地所属の曲技飛行隊「ブルーインパルス」のカラースモークで五輪マークを描く展示飛行も、10時過ぎに暴風警報が発令され、同30分には最大瞬間風速22・6メートルを記録した中で行われ、円を描くことには成功したが、きれいな五輪マークとはいかず。出席した関係者からは「前途多難だな」の声が漏れた。その後に石巻市で行われた「復興の火」の展示でも聖火皿に着火するのに30分以上を要した。

 風に苦しめられた聖火到着初日。組織委の森喜朗会長(82)は「聖火を運ぶ飛行機は乱気流のように大きく揺れる難しい中、何とか松島へつなげようという思いで届けてくれた。聖火が多くの人に希望を照らすことを願います」とあいさつ。新型コロナウイルスの影響で内外で厳しい状況が続く中、26日に福島・Jヴィレッジからリレーがスタートする。(遠藤 洋之)