新型コロナウイルスの感染拡大で、今月中旬に予定していたオーストラリア遠征の中止を余儀なくされました。200メートルにエントリーしていた20日の試合に出るには、14日前の6日までに入国する必要があるとされたのですが、日本陸連に大会側から連絡が入ったのは6日早朝。僕が知らせを受けたのは、6日の日中でした。たとえ、その日の深夜便に乗っても、13日前の7日にしか入国できない。どんなにあがいても無理ということで、遠征を断念しました。

 沖縄合宿中の8日に出る予定だった春季記録会も中止。状態を整えつつ、出られる試合を探すしかない状況です。海外は、到着後に2週間隔離される可能性もあるので、得策ではない。国内で探す形になると思います。沖縄では試合がなくなった分、ケンブリッジ飛鳥選手ら、集まれる人でタイムトライアルを行いました。いい状態を常にキープできるように、我慢しながらみんなで助け合ってやっていくしかないと思いますね。

 新型コロナウイルスを巡っては、プロ野球オープン戦や大相撲で無観客試合が行われるなど、幅広い影響が出ています。お客さんがいなくなって初めて、応援されることの大切さに気づかされる部分もあるでしょう。いつか流行が終息して通常開催できるようになったとき、お客さんへ何を返せるのか、いろいろな選手が考えていると思う。大事なのは、おのおのが今後どういう意識を持ち、行動できるかですね。

 6月末に控える東京五輪選考会の日本選手権に向け、今季は例年に比べて早めに状態も仕上げています。もう少しキレを出して、今月中にはある程度の形にしたいですね。コロナウイルス次第で五輪がどうなるか分からないけど、僕らはやるしかない。いろいろな話が飛び交っても惑わされることなく、やるべきことをやることが一番だと思っています。

 ◆藤光 謙司(ふじみつ・けんじ)1986年5月1日、さいたま市生まれ。33歳。世界陸上は2009年ベルリン大会で初出場し、17年ロンドン大会の男子400メートルリレーで銅メダルに貢献。五輪は16年リオ大会200メートルで初出場し、予選敗退。200メートル自己記録は日本歴代4位の20秒13(15年)。182センチ、69キロ。