昨オフの移籍市場で注目を集めたロッテと楽天。ルーキーを含めた互いの新戦力が「スポーツ報知」のインタビューに応じた。第2回はロッテ・小野郁投手(23)。昨オフにFAで楽天入りした鈴木大地内野手(30)の人的補償として加入した右腕は原点回帰をテーマに掲げ、初の開幕1軍を目指す。(取材・構成 長井 毅)

 プロ6年目に挑む小野はピンストライプのユニホームに身を包んで自身初の開幕1軍を目指し黙々と汗を流している。今季のテーマは“原点回帰”だ。プロ1、2年目は最速153キロの直球を強気に投げ込んでいたが、知らず、知らずの間に“変化球投手”になってしまっていた。昔の自分を思い出させてくれたのは吉井投手コーチだった。

 「去年までは変化球を多く投げていたんですけど、吉井さんから『シーズンに入ったら嫌でも変化球を投げないといけない。真っすぐでしっかり追い込んで、変化球を生かすように』と言われました。真っすぐのピッチャーになりたいですね。常時150キロ台を出せるようにしたい」

 投球の幅を広げるためにウイニングショットとして高速スライダーの習得にも挑戦。既にオープン戦で試投を繰り返し、手応えをつかみつつある。

 「130キロ後半〜140キロくらい出てくれれば。左打者なら内角を突きたいですし、右打者ならセカンドゴロを打たせてゲッツーを取りたい。いい感じです」

 オープン戦は3試合に登板し3イニングを投げ1勝0敗、防御率0・00とインパクトを残した。好調の要因の一つは“地獄”の経験だ。1月中旬に楽天時代にバッテリーを組んだベテラン細川の紹介で現楽天の涌井や益田と一緒に千葉・館山での合同自主トレに参加した。急勾配の坂ダッシュを繰り返すなど、ハードなランメニューが組まれることで有名な合宿で充実した5日間を乗り越えたことで自信もついた。

 「2人ともむちゃくちゃ走る。ダッシュだけで1日、3、4キロは走った。やばいです。ついていけないですもん。プロに入って5年間のオフはランニング重点的にやっていなかった。でも、今年は走って下半身が使えるようになっている感じはしますね」

 球界屈指の“練習の虫”の2人に弟子入りして、食らいついた結果、下半身は一回り大きくなり、体重は80キロから3キロ増えた。今季も既に152キロをマーク。直球の威力が増した実感がある。

 「結構、指にかかった球が投げられている。低めにもいい球がいく量も増えていると思う」

 古巣との対戦では東北のファンにも快投を披露することを約束した。

 「今はロッテの選手なので。しっかり戦わないといけない。(仙台で)成長したところを見せられるのでしっかり投げているところを東北のファンにも見せたいですね」

 コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて開幕が遅れることが決まったが、自身は前向きに捉える。

 「アピールする機会が増えるし、試したい変化球を投げられる。チャレンジできる時間がある」

 救援陣はハーマン、ジャクソン、益田の方程式に加えて、田中、東條ら実績にある右腕がそろう。結果を出し続けなければいけない立場は続く。

 「僕は開幕1軍にいたことがない。開幕1軍に入って30試合は投げたい。ゆくゆくは勝ちパターンで投げたい」

 静かな口調で目標を掲げた小野。昨季まで2年連続でイースタン・リーグでセーブ王に輝いたポテンシャルを今年こそ開花させる。

 ◆小野郁(おの・ふみや)1996年10月23日、福岡・久留米市生まれ。23歳。西日本短大付高では1年秋から「4番・投手」も甲子園出場なし。14年ドラフト2位で楽天に入団。昨季まで2年連続イースタンのセーブ王を獲得。通算39登板で0勝1敗、防御率7・30。175センチ、83キロ。右投右打。年俸600万円(推定)。