新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が21日、「週末のサッカーの試合のように延期することはできない」と高まる延期論に慎重な姿勢を示した。ドイツのラジオ局の取材に応えた同会長のコメントをDPA通信が伝えたもので、いかなる決定を下すにしても信頼できる明確な情報が必要と述べた。

 「予定通り」の開催を主張してきたバッハ会長だが、ここへ来て「違うシナリオは検討している」と発言するなど、延期の可能性に言及。現実的な選択肢としては年内延期が急浮上しているが、いずれにしても日程、会場、スポンサーなど、膨大な調整作業を要する。即断即決とはいかない事情が「週末のサッカー」発言には見え隠れする。

 20日には米国の水泳連盟が、21日には同陸上競技連盟が相次いで、開催延期を要請した。米国はテレビ放映権などでも大きな影響力を持っており、その競技団体“二大巨頭”がタッグを組んでの圧力は、延期論に拍車をかけることは必至。バッハ会長は中止に関しては「(参加する)1万1000人のアスリートの夢を壊す。中止は最も公平でない解決策だ」と改めて否定したが、重大な決断の時期が迫っているのは明白な事実だ。