◆第69回スプリングS・G2(3月22日・芝1800メートル・中山競馬場、良)

 皐月賞(4月19日、中山)トライアルの第69回スプリングS・G2が22日、中山競馬場で行われ、短期免許で騎乗中のライル・ヒューイットソン騎手(22)=南アフリカ=が6番人気のガロアクリークを勝利に導き、JRA重賞初制覇を果たした。コンビで挑むことが決まった本番の優先出走権は、2着ヴェルトライゼンデ、3着サクセッションまでが手にした。

 5度目の挑戦でJRA重賞初制覇を果たした“南アフリカの天才”ヒューイットソンは、ゴール後に左手でムチを振り上げて勝利に酔いしれた。

 1勝馬のガロアクリークとは初コンビだったが、道中は中団で息はピッタリ。スローで流れる展開に先行集団を見る形でレースを組み立て、末脚を温存。残り600メートルからの瞬発力勝負となったがメンバー最速の上がり33秒8の末脚を引き出し、6番人気の伏兵に重賞初Vをプレゼントした。

 冷静な騎乗が光った鞍上は「メンバー的には強敵がそろっていたけど、追い切りの動きが良くて自信を持って乗ることができた。とにかくG2という大きいレースを勝ててうれしい」と喜びを爆発させた。上原調教師も「能力はあると思っていた。3着は外さないでとキツく言っていた(笑い)。ジョッキーがあきらめずに最後まで追ってくれたね」と上機嫌だ。

 南アフリカではG1を6勝し、17/18年に184勝、18/19年には219勝を挙げ、リーディングに輝いた。今月7日から短期免許で騎乗する以前は香港でも騎乗し、経験を積み重ねている。

 初タイトルを手にして、見据える先はもちろん皐月賞だ。トレーナーは「このままで」とコンビ継続を明言。大舞台での手綱も託された22歳は「距離は2000メートルが限界かもしれないけど、能力でカバーしてくれると信じたい」と、キンシャサノキセキ産駒で最長距離となる1800メートルのJRA重賞Vとなったパートナーの潜在能力に期待した。本番まで1か月。勢いに乗る人馬が再びライバルをあっと言わせる。(石行 佑介)

 ◆ライル・ヒューイットソン(Lyle Hewitson)1997年10月30日、南アフリカ生まれ。22歳。2016年に母国で騎手免許を取得。日本では今月7日から短期免許で騎乗し、通算8勝。166センチ、53キロ。

 ◆ガロアクリーク 父キンシャサノキセキ、母ゴールドレリック(父キングマンボ)。美浦・上原博之厩舎所属の牡3歳。北海道浦河町・笠松牧場の生産。通算4戦2勝。重賞初勝利。総収得賞金は6322万8000円。馬主は水上行雄氏。