◆第68回阪神大賞典・G2(3月22日・芝3000メートル・阪神競馬場、良)

 阪神競馬場で行われた第68回阪神大賞典・G2はユーキャンスマイル(岩田康)が快勝し、優先出走権を得た天皇賞・春(5月3日、京都)でG1初制覇を目指す。

 Vロードをこじ開けた。直線入り口。好位の岩田康とユーキャンスマイルは目の前にいるキセキの後ろで息を潜めていた。内に進路を取ると、キセキと逃げるタイセイトレイルの間で一気に加速。抜け出してからも脚いろは全く鈍らず、1馬身3/4差の完勝だった。「3000メートルだったので、リズム重視で走りました。よく走ったと思います」。岩田康は報知杯FRに続く2週連続の重賞Vを満足そうに振り返った。

 当初は1週前の金鯱賞から始動する予定だったが、友道調教師はもうひと追いほしいとスライドさせた。「正解でしたね。真っすぐ走れたのがよかった。右回りで勝てたのは次につながります」。もたれる面を見せていた右回りでの勝利は実に2年1か月ぶり。しかも、自己最高の馬体重500キロと余裕残しの仕上げで勝利をつかんだ。重賞3勝目という結果より、本番の天皇賞・春を見据えるうえで内容の濃い前哨戦だった。

 阪神大賞典は岩田康が5勝目、友道師が3勝目と好相性だ。このコンビで唯一勝った08年のアドマイヤジュピタは今回と同じ5歳時。その後に天皇賞・春でG1初制覇を果たした。今年も偉大な先輩と同じ道を目指す。「この勝利でグッと大きな目標に近づいたと思います。無事に行ってほしい」と岩田康が意気込めば、「今年は何とか、ですね」とトレーナーは昨年5着からの雪辱を狙う。馬名の由来は「笑ってごらん」。今年は春の淀で最高の笑顔をはじけさせる。(山本 武志)

 ◆ユーキャンスマイル 父キングカメハメハ、母ムードインディゴ(父ダンスインザダーク)。栗東・友道康夫厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算15戦6勝。重賞3勝目。主な勝ち鞍は19年のダイヤモンドSと新潟記念。総収得賞金は2億9760万2000円。馬主は金子真人ホールディングス(株)。