◆大相撲春場所千秋楽 〇朝乃山(押し倒し)貴景勝●(22日・エディオンアリーナ大阪)

 大関にふさわしい相撲だった。朝乃山は貴景勝に真っ向勝負を挑んだ。鋭く踏み込み、まわしこそ取れなかったものの、一度も引くことなく攻め続けた。逆に貴景勝が引いたところを一気に押し倒した。最後まで愚直だった。真っ向勝負を貫いた15日間。立ち合いに注文をつけることもなく、引いて逃げることもなかった。まさに大関昇進に値する内容といえる。

 朝乃山の大きな背中を見て胸が熱くなった。デビューした時から亡き友・北天佑さん(元大関)に似ていると思っていた。私と北天佑さん、それと高砂親方、二所ノ関親方の4人は一緒に家族ぐるみで旅行に行くほど仲が良かった。

 胸板が厚い。太ももとかいな(腕)も太く、まさに“ミニ北天佑”だ。違いは豪快さだろう。北天佑さんは握力が強く、のど輪や小手投げなどが代名詞。性格の違いもあるが、45歳の若さで亡くなった北天佑さんに一歩でも近づいてくれたら、友としてこんなうれしいことはない。(スポーツ報知評論家)