本紙で評論を担当する増田明美氏(56)は、延期の場合でも、選考を勝ち抜いたマラソン内定者をそのまま出走させるべきとの考えを示した。

 延期はしょうがないかな、という印象です。私は日本パラ陸連の会長をしていますが、パラ陸上の選考大会も中止や延期が相次いでいて、夏開催は難しいかなと思っていました。マラソンに関しては、延期になれば今月の選考レースで代表に決まった大迫傑さん、一山麻緒さんも準備期間を十分とることができます。秋開催なら涼しくもなる。米プロスポーツの放映と兼ね合いがあると思いますが、2020年のうちにやってほしいという思いはありますね。

 仮に年単位の延期となった場合でも、内定した6人の代表はそのまま出場させるべきだと考えます。一発勝負のMGCを乗り越えた4人に、設定タイムのプレッシャーを克服した大迫さんと一山さん。時期が延びれば延びるほど気持ちを保つのは難しいですけど、6人は厳しい選考を突破して“心の抵抗力”があることを証明していますからね。必ず、今回の困難を乗り越えてスタートラインに立ってくれるはずだと思います。

 私が出た84年ロス五輪は、冷戦下でソ連など東側諸国がボイコットしましたが、直接の影響はあまり感じませんでした。ただ、日本が不参加だった4年前のモスクワ五輪代表だった瀬古さんたちは、皆泣いていましたからね。“幻の五輪”を共有した世代の人たちは結束が強く、瀬古さんは日本陸連のプロジェクトリーダーとして今のマラソン強化を引っ張っている。困難に見舞われた今回の6人も、きっと強い絆が生まれるでしょう。大会に向かって集中できるように、一日も早く日程が決まってほしいです。(84年ロス五輪代表、スポーツジャーナリスト)