新型コロナウイルスの感染拡大を受け、14日に中止となった春のセンバツ高校野球(甲子園)。21世紀枠での出場が決まっていた磐城(福島)の木村保監督(49)が転勤することが24日、明らかになった。4月1日付で福島商へ異動することが決まり、23日午後に選手、保護者らに説明する場が設けられた。

 本来であれば大会初勝利を飾った暁に伝えるはずだった言葉を選手たちに贈った。「監督として最後の1年だと思って今年1年間、やらせてもらった。最後の最後に悲願だった甲子園出場を果たせた。最高のプレゼントをもらった。ありがとう」。涙はこらえた。精いっぱいの感謝の気持ちだった。

 選手としては88年春の県4強が最高成績。背番号12をつけて戦った最後の夏は1回戦敗退だった。14年4月に母校に赴任し、翌15年に正式に監督就任。少年時代から憧れていたコバルトブルーのユニホームに再び袖を通すことができた。

 昨年10月15日の東北大会の準々決勝が母校での最後の采配となった。1月24日の21世紀枠での出場決定から今月の中止決定。怒とうの数か月を振り返った指揮官は最後に熱い口調で訴えた。「この苦難、困難を乗り越えることができればすごい強みになる。夏の選手権は全部勝たないと(甲子園の)切符が取れない。必ず壁にぶち当たるし、そう簡単には乗り越えられない。そこにしっかり立ち向かっていけるように頑張ってくれ。絶対にお前たちにはできるから」。“ラスト・メッセージ”は必ずナインの胸に届いている。(長井 毅)