◆練習試合 DeNA5―9阪神(24日・横浜)

 夢舞台への執念で食らいついた。1点を追う7回。陽川の本盗で同点とし、なおも2死二塁。育成ドラフト1位・小野寺暖外野手(22)は桜井のチェンジアップに手を伸ばした。右翼・楠本が懸命にグラブを出したが、打球はこぼれ落ちた。決勝の右前適時打だ。「(同点となったことで)余裕ができて、打つことができました」。笑顔のベンチに、笑顔で右手を突き上げた。

 勢いは続く。9回1死二、三塁では左翼線へ2点二塁打を放ち、2打数2安打3打点。22日に昇格したばかりの背番号127は、出番を待つ間も先輩の動きを観察しているといい「(1軍は)ベンチにいるだけでも勉強になる。数少ないチャンスで結果を残して、1軍に残り続けたいです」と決意を口にした。

 夢がある。「子供たちに、頑張れば下からでもはい上がれるということを証明したいです」。両親が「『暖』かい人になるように」と願いを込めた名前の通り、人当たりのいい優しい男。憧れの元阪神・西岡のようなスター選手を目指し、努力を続けている。

 矢野監督は「楽しみがある選手。実戦になると落ち着いて見える」と評価した。ただ、この日は糸井が不在。激戦の外野争いにおいて、あくまで経験を積ませる意味合いが強いが、それは本人も自覚している。「(開幕が)伸びたことで1軍に帯同できている。運があるなと。運を逃さないようにしたいです」。虎のラッキーボーイが、ここから成り上がる。(中村 晃大)

 ◆小野寺 暖(おのでら・だん)1998年3月17日、奈良市生まれ。22歳。小学2年時に奈良リトルで野球を始め、中学時代は南都ボーイズでプレー。京都翔英高では甲子園出場を逃すが、高校通算20本塁打。大商大では4年春に首位打者に耀き、MVPも2度獲得した。昨年の育成ドラフト1位で阪神に入団。50メートル6秒2。遠投120メートル。183センチ、82キロ。右投右打。