◆柔道・篠原信一さん(2000年シドニー男子100キロ超級銀メダル、前男子日本代表監督)

 東京五輪の1年程度の延期が24日に決まった。開幕まで4か月を迎えたこの時期の急展開。柔道の篠原信一さんが、延期による影響や選手の思いを代弁した。

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 全世界の現状を見ても延期は仕方がない。ただ、厳しい国内選考を勝ち抜き、代表に内定した選手たちのことを思うと胸が痛くなる。心情としては「俺の、あたしの代表切符、どうなるの?」と不安になっていると思う。

 一度は決めた代表の処遇を、全柔連がどう考えるかは分からない。再選考の議論も起こるだろうが、僕の考えは、現在内定済みの13人(男子6、女子7)と、4月の全日本選抜選手権で決まる最後の男子66キロ級代表(阿部一二三か丸山城志郎)のままで良いと思う。誰もが金メダルを獲得できる実力があるからだ。2年の延期となれば、もはや世代交代となり、選考のやり直しも迫られる。しかし「1年以内」ならば目標設定を再構築し、さらに上積みができる期間が増えたと考えれば良いと思う。

 一番の問題は「2021年夏までに実施」とされている、あやふやな開催時期だ。延期の元凶になっている新型コロナウイルスの終息にも関わってくるだろうが、来年の3月なのか、5月なのか、やっぱり7月なのか、それがはっきりしないことには選手も強化側も的を絞れないし、目標設定も立て直せない。IOCは早期に開催時期を発表してほしい。

 現状では延期が決まっただけにすぎないからこそ、全柔連には内定選手への細かいケアを随時してほしい。選手が望むならば、メンタルトレーナーと話す機会を増やすのも良し。不安を取り除いてあげるために、今後の動向など現状をしっかり報告し、誰もが納得する説明を丁寧にしてあげることが選手ファーストにもつながる。