東京五輪は24日の国際オリンピック委員会(IOC)臨時理事会で「1年程度の延期」が決定した。最大の焦点となる開催時期については今後、組織委とIOCの調整委員会で検討されることになるが25日現在では、1年スライドされて2021年7月23日開幕、8月8日閉幕が最有力となる。

 新型コロナウイルス感染拡大が世界を混乱に陥れ、安倍晋三首相(65)とIOCのバッハ会長(66)による電話会談で史上初の五輪延期が決まってから一夜明けた25日、大会組織委員会は「対策本部」を設置するなど本格的な計画見直し作業に入った。関係者によると、延期による追加経費は3000億円規模と見込まれ、金額の算定も重要な課題だが、最大の焦点とは「1年以内」とした新しい開催時期だ。

 バッハ会長は25日、五輪の準備状況を監督するIOCの調整委員会や大会組織委で構成する作業部会の設置を明らかにした。「Here We Go(さあ行こう)」と名付けられたという。また、4月中旬に予定される調整委に向け日本政府、東京都、組織委が26日に合同会議開催を決めるなど、日程確定へ早急な作業が進められている。

 最有力視されるのが1年スライドさせた来夏の開催案だ。組織委の森喜朗会長(82)は24日「おおむね夏をめどにすることになる」と従来通りの夏開催を示唆。近年の五輪は、金曜日に開幕し16日後の日曜日に閉幕するのが慣例で、来夏の場合は7月23日開会式、8月8日閉会式が行われる日程となる。

 単純に1年延期とすれば、日程や聖火リレー、輸送面などのフォーマットは原則変えず、はめ込んでいくことが可能だ。また、このスケジュールであれば夏休み期間中で、チケットを購入済みの人の予定調整や、ボランティアを行う予定だった学生の引き続き参加も見込まれる。

 懸念される世界水泳(7月16日〜8月1日・福岡)、世界陸上(8月6〜15日・米オレゴン州)などの国際大会との調整だが各連盟も延期に理解をしているだけに障壁は減りつつある。会場、暑熱など乗り越えるべき課題は残されているが、日程を早期決定して再び準備を始めることが東京五輪が「世界の祝祭」となる第一歩となる。

 ◆バッハ会長、中止考えた

 バッハ会長は25日、電話記者会見を開き、山積する課題の解決に向けて「全ての利害関係者の犠牲と妥協が必要」と述べ、各競技の国際連盟との調整に着手する方針を示した。五輪史上初の延期を「前例なき試練」とし、再三否定してきた中止の可能性も「もちろん検討された」と初めて明らかにした。犠牲の一例として追加費用の負担問題を挙げ「だからこそ、安倍晋三首相との電話会談で日本政府が必要なことを全てやってくれると約束してくれてうれしい」と述べた。会長職の辞任を考えたかには「ノー」と即答した。