新型コロナウイルス感染拡大の影響は、プロ野球界にも大きな影響を及ぼしている。当初の予定の3月20日の開幕は延期となり、現在は1か月以上遅れた4月24日の開幕を目指している。プロ野球・日本ハムの栗山英樹監督(58)は、選手や北海道の球児、子どもたちに「ピンチをチャンスに」を提言。北海道に本拠地を置くプロスポーツチームのリーダーとして、エールを送った。(取材・秦 雄太郎)

 皆さん本当に大変だと思います。こんなことって第2次世界大戦以来って言ってる国もあるわけだけど…。コロナウイルスで亡くなられた方もいらっしゃる。その家族の皆さんとか、苦しんでいる方とか。会社がだめになっちゃうって人もいっぱいいる。患っていない普通の人たちも、自由に生活できないっていうのはストレスもたまるし、イライラもすると思う。

 でもウイルスと戦うわけだから。できる限り、みんなで我慢して。一人一人の命が重要。生きていれば次に向かっていけると思って、我慢しなければいけない時なんだと思う。北海道で最初に倒産してしまったのは、三富屋さんっていう、(住まいのある)栗山町のお世話になったコロッケ屋さん。普通に考えれば、商売されている方は本当に大変なのは想像がつくよね…。

 春のセンバツ高校野球が中止になった球児には、何か良い形で心に残るものを残してあげたいと思っているけど。俺が何かしたからって、甲子園に出られるわけでもない。一番つらいのは何もしてやれないってこと。一般の子どもたちも卒業式が中止になったりした。一生に1回という思い出を作ってあげたいよね。親御さんの苦労も考えればね。

 でもちょっと考え方を変えると『唯一戦争以外でセンバツが行われなかったときのメンバーなんだよ! 俺ら我慢したんだよ!』って逆に一生語れるものになるはず。誰かが救われたと思うと、やれなかった卒業式が一生の思い出になるかもしれない。『俺は誰かのためになれたんだ』って喜びを感じて、前に進んでほしいな。そう思える生き様を、ここからしてほしいなって思う。『ピンチはいつもチャンス』。言い方は厳しいかもしれないけど、それをやってくれると信じているよ。

 選手たちも、非常に難しいのは難しい。でもさ、そんなこと言っている場合じゃないから。我々はプロなので。ここまで来れば選手たちも、野球ができることが当たり前じゃないって分かるじゃない。だからすごく感謝して野球ができる。そして野球をやる姿で北海道のみなさんに元気を送れる可能性がある。自覚してやってくれると信じているし、やってほしいよね。

 外出を自粛しているファンの方々は、なるべく家にいなきゃいけないって自覚があればあるほど、野球をテレビで見られたらすごく楽しいだろうし。早く野球ができる環境になって、みなさんに本当の元気をお届けしたいと思っています。4月24日には開幕するよ。頑張るね。(北海道日本ハムファイターズ監督)

 ◆栗山 英樹(くりやま・ひでき)1961年4月26日、東京・小平市生まれ。58歳。創価高から東京学芸大に進み、83年ドラフト外でヤクルト入団。右投両打の外野手として89年にはゴールデン・グラブ賞受賞。右肘痛に加え、めまいや吐き気を伴うメニエール病の影響もあり、90年に29歳で引退。通算494試合出場で打率2割7分9厘、7本塁打、67打点。野球評論家、白鴎大経営学部教授を経て、12年から日本ハムの監督として指揮を取っている。リーグ優勝計2度、16年には日本一に導き、正力松太郎賞を受賞。独身。