巨人が19日の阪神との開幕戦(東京ドーム)に勝利し、球団通算6000勝を達成した。

 スポーツ報知では、「巨人6000勝の軌跡」と題して、1000勝から100勝ごとの節目勝利を、当時の記事で振り返る。

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 巨人は阪神最終戦に快勝して5連勝の貯金30。広島が4連敗でマジックは一気に6となり、V ロード猛進だ! 吉村が3試合連続の27号を含む2打点、7回を投げた江川が13勝目をあげハーラー争いに顔を出した。波に乗る巨人は来月10日からの広島3連戦を待たずに後楽園胴上げの可能性が強くなった。

◆巨人3―1阪神(1987年9月27日・後楽園)〔勝〕江川24試合13勝5敗〔敗〕伊藤17試合7敗〔セーブ〕鹿取58試合6勝4敗16セーブ〔本〕吉村27号(伊藤・2回)

 フフフ…。吉村の口元から含み笑いが止まらない。3日連続のヒーローインタビュー。「自分でも怖いくらいです。あれこれ考えずに来た球を打ち返すことだけを考えているんですが…」カクテル光線に映しだされたヒーローはチョッピリ照れながら殊勲打を振り返った。

 930グラムのバットがまず、2回に火を噴いた。コンパクトにスイングするため、このところちょっと軽めにした黒バットだ。「真ん中少し外より低めのフォークでしょう。そんなにやさしい球ではなかったけど、うまくヘッドが抜けました」3試合連続の先制27号が右翼席で跳ねた。

 そして、4回。今度は“技あり”だ。1死一、二塁。初球のカーブが中前へ糸をひいてクロマティが生還だ。「うん、あれは我ながらうまく打てましたね」25,26日の2試合と合わせてこの時点で8打数連続安打。日本記録(坂本、マニエル、掛布)が10打数連続だから、この一打であと“2”まで迫ったのだ。

 「記録? そんなのがあったんですか。全然知りませんでした」結局、3打席目は一塁ゴロで記録は途絶えたが、「いいんです。チームが勝てばね」吉村はちっとも気にしていない。

 「吉村が今日もいいところで打ってくれたね。伊藤は今季最高のデキだったんだけどね」吉村の連日の活躍でマジックを6とした王監督は試合後のサロンで何度も大きくうなずいた。

 「吉村をはじめ、全選手が“その気”になっている。とにかく、ここまで来たらガムシャラにやっていくしかないものね」こみあげてくる笑いをかみしめた指揮官。Vの輪郭がハッキリと視界に入り、表情も余裕たっぷりだ。

 そして、王監督は最後に「これで首位打者のタイトル争いも面白くなってきたでしょう」と言った。この日2安打で打率を・324まで引き上げた吉村。篠塚、中畑がともに4―0に終わり、代わってトップに立った落合(中日)と吉村の差は1分3厘。

 「タイトルなんてとてもとても」と謙遜する吉村だが、通算打率も・324を誇る男が、タイトル争いにも“参戦”する。(尾谷和也)