巨人が6月19日の阪神との開幕戦(東京ドーム)に勝利し、球団通算6000勝を達成した。

 スポーツ報知では、「巨人6000勝の軌跡」と題して、1000勝から100勝ごとの節目勝利を、当時の記事で振り返る。

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 左太もも肉離れで4番・石井を欠いた巨人だったが、1500奪三振を記録したエースの斎藤雅が8回途中まで2失点の好投。最後は趙の完ぺきセーブで、阪神を振り切った。

◆巨人4―2阪神(1997年8月3日・甲子園)〔勝〕斎藤雅12試合4勝5敗〔敗〕舩木10試合5敗〔セーブ〕趙6試合4セーブ〔本〕今岡1号(斎藤雅・8回)

 節目の記録も、甲子園だった。マウンドで自然と飛び出したガッツポーズ。ベンチで次から次へと伸びてくるナインの祝福の手を、斎藤雅は笑顔で握り返した。 「すごい数だね。オレもよくやっていると思うよ」3回裏、121キロの変化球で桧山から奪った三振は、プロ入り1500個目。記念のKマークを、84年4月に初三振を奪った思い出の甲子園に刻みつけた。

 1500三振へ残り38で臨んだ今季だったが、思いもよらぬ右肩痛が襲う。15年間、投げまくってきた疲れ。「長年の“勤続疲労”だよ」チームの人間は、口々に言った。

 休んでもおかしくない状況でも、責任感がある。「休んではいられない」威力のあるストレートを投球の基本に置いてきた男も、今季の最多奪三振数は7個。その分、丁寧にコースを攻めている。

 この日も、前夜20安打を放った虎打線を、7安打2失点に抑えた。「ほぼ完ぺき。随所にらしさを見せてくれた」長嶋監督は、11番に称賛の言葉を贈った。

 右の主砲から、快音が聞こえない。左太もも肉離れで、石井が戦線を離脱。空いた4番に座ったのは、清原だった。6月24日以来、40日ぶりの4番。気負いが、体をがんじがらめにした。

 象徴的な場面は、4回。2死二、三塁で松井が打席に立つと、阪神バッテリーは松井を敬遠し清原との勝負を選択した。その術中にはまってリキんだのか、竹内のカーブに三振。今季100個目の三振を数えた。

 「勝てば関係ない。打順は監督の決めること。101三振? ああ、そう。大したもんや」5打数1安打2三振で終えた久々の4番に、笑顔はなかった。「ちょっとリキみすぎ。ラクにやればいいんだけどなあ」ミスターも、首をかしげるしかない。

 「もぎ取ったんじゃない。いただいたようなものだから」と厳しい顔で言った長嶋監督。4点のうち、タイムリーは4回の清水の中前安打による1点だけ。2回の2点、4回に奪った3点目はいずれも敵失によるものだった。

 そんな打線が振るわないときに、斎藤雅が踏ん張ってみせた。前夜、1イニングに10点を失うなど3対13で大敗し、石井がリタイアしたイヤなムードを吹き払い、連敗を2でストップ。

 「斎藤で勝てたことが一番大きい」と堀内投手コーチの声が弾む。「1試合も負けられない状況だったから、勝ってよかった」苦しい時に頼りになったのは、やはりエースだった。(秋本 正己)