◆パ・リ−グ 楽天18―4日本ハム(27日・楽天生命パーク)

 半信半疑で走り出した浅村の目に、左翼席最前列で弾む白球が入ってきた。大きな放物線を描いた打球は、フェンスいっぱいでジャンプした杉谷をあざ笑うかのように、スタンドで弾んだ。頼れる4番は笑顔でナインと肘タッチ。「ちょっと詰まったけど、なんとか入った」と白い歯をのぞかせた。

 悪い流れを断ち切った。先発・松井が5回に3点を献上。その直後の攻撃だった。1点を返しなおも無死一、三塁。代わったばかりの玉井の初球、内角シュートを強振し、逆転の3号3ラン。このカードは徹底して内角を攻められ、相手の戦略は織り込み済みだった。「シュートを一発で仕留めようと思った」と充実感をにじませた。

 打者一巡し、なおも2死満塁では右越えに2点適時二塁打(中継ミスで一塁走者も一気に生還)。球団初となる1イニング5打点をマークし、球団最多タイとなる1イニング10得点を呼んだ。8回にも2点適時二塁打を放って自己、球団とも最多タイとなる1試合7打点。西武時代の17年5月12日のオリックス戦(ほっと神戸)以来の荒稼ぎで「前の打者がいい形でつないでくれる方がうれしい。打点は周りの打者に感謝」と淡々と振り返った。

 主砲は頼れる先輩でもある。移籍2年目の今年は、オコエや内田らと合同自主トレを敢行。親身になって若手へアドバイスを授けた。もらったバットや指導を力に変えた内田は「どうして浅村さんほどの人が、こんなに親切に教えてくれるのかと思った。本当にありがたい」と感謝する。

 三木監督も「若い選手は言葉でも、背中でも教わっていると思います」と感服。同一カード6連戦の勝ち越しを決めた浅村は「個々がいろんな役割を全うできている。いい状態」とうなずいた。バットでも、大きな背中でもチームをけん引していく。(高橋 宏磁)