◆パ・リ−グ 西武4x―3ソフトバンク(28日・メットライフドーム)

 若き天才が一振りで試合を決めた。打球の行方を目で追った森は、満面の笑みを浮かべてナインの元へ駆け寄った。

 3―3の9回裏、無死満塁。一打サヨナラの場面で4番手・泉の初球、フォークをはじき返すと、打球は二遊間を抜けて中前に転がった。7回1死、ソフトバンクの9番・甲斐から両チーム合わせて10者連続三振など、後半は膠着(こうちゃく)状態。緊迫の試合に終止符を打ち、チームを今季初のサヨナラ勝ちに導いた昨季の首位打者は「初球から絶対振ろうと思っていた。何とか抜けてくれて良かった」と、胸をなで下ろした。

 開幕して8試合に「3番・捕手」で先発。同一カード6連戦で、配球や戦略に頭をフル回転させる一方で、得意の打撃は試合前まで打率2割2分2厘ともがいていた。そんな中、辻監督の配慮があった。「選手は調子が悪いと特に疲れる」と、同一カード5戦目の27日のソフトバンク戦(メットライフ)は出場せず、休養が与えられた。

 だが、同日の試合前練習では通常のメニュー後に、個別でティー打撃を行い練習をおかわり。「なかなか状態が上がらないので、どうすればいいかなと考えてやっていた」と、バットを振り続けた。復調の兆しを見せる一打に、指揮官は「すごく疲れた1週間だったと思う。今日をきっかけにまた上がってきてくれたら」と期待を寄せた。

 若き正捕手の活躍でチームは3連勝。今季の大きな特徴でもある同一カード6連戦で、2年連続日本一を譲っている宿敵・ソフトバンクに4勝2敗で勝ち越した。タカ狩りで勢いを増した獅子軍団は、総力戦で長期戦を制する。(森下 知玲)