プロボクシング元世界2階級制覇でメキシコ市に滞在中の亀田和毅(28)が29日までにスポーツ報知の取材に応じ、5月27日(日本時間28日)にメキシコ人のシルセ夫人との間に誕生した第1子となる長男をお披露目した。新型コロナウイルス禍の中で「希望を持って生まれてくれた」と、「望有(のあ)」と命名したと明かした。本格的に再開する3階級制覇への道のりで、心強い家族が増え心機一転の決意を語った。

 滞在先のメキシコで長男が誕生してから27日で1か月。和毅はメールでの取材に応じ、生後1か月の検診を終えた愛息の成長ぶりを写真を添えて報告した。シルセ夫人譲りの二重まぶたに、和毅と同じ、くりっとした大きな瞳が愛らしい。3人となった家族の新たな船出と、希望にあふれる愛息の未来に思いを込め「望有(のあ)=英語表記はNOAH=)」と名付けた。

 「希望と才能を持って生まれてきてくれた子です。この時代に生まれたからこそ、人々の希望とか助けになって、人を愛し、愛されるようになって欲しいという強い思いを込めました」

 育児にもようやく慣れた。朝は子供を寝かしつけてから練習へ。終えた後はおしめを替え、食事を作り、掃除をし、夕方から練習を再開。コロナ禍で4月に延期になった3階級制覇への第一歩、フェザー級初戦への意欲も徐々に高めている。

 一番の標的はWBAのフェザー、スーパーフェザーの2階級で、ともにスーパー王座に君臨する「大地震」が異名の4階級制覇、レオ・サンタクルス(メキシコ)だ。7月に米国での興行再開を目指すプロモーターとは、節目の40戦目に向けた相談を再開したが、「米国内は感染者がさらに増えていて、まだ分からない状況」。7月12日には29歳になる。「30歳までには3階級制覇したいけど、流れに身を任すしかない」と長期戦も覚悟している。

 メキシコ国内では6月に入り感染者数は計10万人以上となり、死者は1万人を超えた。「つらい毎日」と言うが、望有くんの存在は心を強くした。「コロナは世界を変えたけど、人生が素晴らしいことに変わりはない」。プロボクサーとしての使命感も高まった。「世界中のみんなが暗いトンネルの中で、なにくそと歯を食いしばって希望の光、出口を探している。いまは暗くとも、その先には必ず素晴らしい風景が待ってると思う」と和毅。リングで戦う姿を通し、勇気と希望を伝えることを強く誓った。(小河原 俊哉)

 過去39戦で日本人との対戦が一度もない和毅は「戦ってみたい日本人」にWBA・IBF統一バンタム級王者で世界3階級制覇の“モンスター”井上尚弥(27)=大橋=の名を挙げた。「実際は2階級の差があるので、今すぐ実現って言うのは不可能」としながらも、「でも自分がフェザー級チャンピオンなり、井上チャンピオンもスーパーバンタム級に(1階級)上げてくれば、自分が同じ階級に落とす可能性はある」と意欲を示した。

 ◆亀田 和毅(かめだ・ともき)1991年7月12日、大阪市西成区生まれ。28歳。亀田3兄弟の三男。長男・興毅氏は3階級、二男の大毅氏は2階級制覇で、妹の姫月は現役プロボクサー。父・史郎氏は人気ユーチューバー。08年11月にプロデビュー。13年8月にWBOバンタム級、18年11月にWBCスーパーバンタム級暫定王座決定戦で2階級制覇。15年10月に元アマチュアボクサーでメキシコ人のシルセ夫人と結婚。身長171センチの右ボクサーファイター。