◆JERAセ・リ−グ 巨人5―2DeNA(30日・東京ドーム)

 ハッピーバースデー、若大将! 巨人・岡本が同点タイムリー&ダメ押しソロで、24歳の誕生日を自ら祝った。12打点はヤクルト・山田哲を抜いてリーグトップ。5本塁打もトップの広島・鈴木誠に並び、リーグ“3冠王”だ。丸には待望の今季1号が飛び出し、0・5ゲーム差だったDeNAを下して首位をがっちりキープ。2連勝で、貯金を今季最多の5とした。

 これこそが丸の打球だ。これを、誰もが待ち望んでいた。快音を残した打球は大きな弧を描き、右翼席中段へと舞い落ちた。10試合、42打席目で生まれた今季1号ソロ。マルポーズを決めた笑顔にどこか、安堵(あんど)感もにじむ。「岡本サンと一緒に打てて光栄です。岡本サンとアベックホームランが打てて、人生のいい思い出になりました」。照れ隠しの“岡本いじり”で、今季の第一歩目を振り返った。

 高い技術を結集させた一発だった。1点リードの8回無死。2ボール1ストライクからエスコバーの155キロ内角直球を捉えた。厳しいコースだったが、右足をバックステップするようにして“距離”を稼ぎ、その場で回転するようにして運んだ。リードを2点に広げる貴重なアーチで、連続試合安打も5に伸ばした。

 開幕から続いたトンネルの出口を、必死で探した。6月24日の広島戦前の練習。フリー打撃で原監督が吉川尚に対して間の取り方を指導していた際、こっそりと近寄って意見に耳を傾け、参考にしたこともあった。それでも、暗くなると「よりふさぎ込んでしまう」と考える男は、決して明るさは失わなかった。報道陣の「がんばって」の声に「今までは(頑張りが)まだ足りなかったってことですね。気づかされました。俺、まだまだやなぁ」とちゃめっ気たっぷりに、自らを鼓舞した。

 そんな苦悩の姿を見ていた指揮官も「本人と同じくらい私もうれしい。いつかは出ると思いながらも、1本出たのは本人の中でも大きいと思う」と胸をなで下ろした。丸の“景色”を変えようと2番の打順に入れたのは、6月26日のヤクルト戦(神宮)を手始めに今季3度目。きっかけをつかんでほしかった。「長丁場の野球では、いかなる好打者であっても歯車が合いだすというか、前に進み出すというのは簡単ではないというところだね」とこれからの巻き返しに期待した。

 8回表には梶谷の中堅への大飛球に対し、懸命に背走し、最後はジャンプしながらグラブの先で好捕。6回には果敢に二盗を決め、その後の逆転劇への重圧をかけた。打って、走って、守って。みんなが知っている丸が帰ってきた。(西村 茂展)