高岡市の伝統工芸高岡銅器振興協同組合(伝振協)は16日までに、文化財修復事業委員会を発足させた。法隆寺や薬師寺の国宝の新調品製作や再現事業を成し遂げたことを受け、文化財修復を新たな事業と位置付ける。修復事業に取り組んだ経験を持つ企業や職人をリスト化し、国内最高水準の銅器産地の技術を活用、発信する。 伝振協は2017年に完成した法隆寺の国宝「釈(しゃ)迦(か)三尊像」の再現像製作に参加し、昨年1月には国宝・薬師寺東塔(とうとう)の飾り「相輪(そうりん)」の新調品を製作した。いずれも完成度は高く、藩政期から続く高岡の銅器産業の優れた技術を示した。 銅器産業の売り上げが低迷する中、高岡の産地が文化財修復の力をアピールする目的で委員会を設けた。文化財や歴史ある銅像・ブロンズ像の修復についての相談が寄せられた際は、各企業や職人のリストを基に迅速に対応して受注につなげる。 薬師寺東塔の相輪の新調時には、第一線を引いた高齢の職人からも意見を聞き、あらゆる角度から最高の品を作るための方法を検討した。今回、委員会で年内にまとめるリストの対象には、こうした職人を含めて技術の継承を図る。 伝振協は文化財修復事業の内容や実績を紹介する新たなホームページを作成している。 委員長に就いた梶原壽治伝振協理事長は、銅器製造に必要な原型製作や鋳造といった各工程の専門企業が集積しているのは全国で高岡だけと指摘。「国宝から市文化財までに加え、各地で愛されてきたブロンズ像を修復する手伝いをしたい」と話した。