石川県立大の長谷川和久客員名誉教授(77)=小矢部市長(ちょう)=は16日までに、能登産の竹炭粉などを利用し、イノシシを遠ざける忌避剤(きひざい)を試作した。1月下旬以降に小矢部、七尾、輪島市で忌避剤をまく実証試験を行う。虫を寄せ付けず、薬用効果が高いとされるニームの木の苦味成分を配合し、農作物被害を防ぐ。 ニームはインド原産の熱帯・亜熱帯性常緑樹で、樹木全体に動物や昆虫の嫌う苦味成分「アザディラクチン」が含まれる。近年は虫よけや抗菌作用に着目して栽培する人が増えている。 忌避剤は輪島市門前町の竹炭粉をはじめ、米ぬか、煮干しを使った魚粉などを混ぜてペレット(粒状)に加工し、乾燥させて仕上げた。イノシシは米ぬかを好み、食べても影響はなく、土に溶けると肥料にもなる。 小矢部市は今年度、16日現在で522頭のイノシシを捕獲し、前年同期比で54頭増えた。長谷川さん宅に近い松尾地区は中山間地が3分の1を占め、数年前からイノシシが農作物を食い荒らし、稲を倒すなどの被害が相次いでいる。 長谷川さんが理事長を務めるNPO法人日中資源開発協会(野々市市)が忌避剤を使ったイノシシ対策を考案。肥料卸売販売業・岡本清右衛門商店(高岡市)の岡本清右衛門社長(81)がニームから採取したオイルを提供した。 実証試験に協力するNPO法人「省エネと環境対策研究所」(金沢市)は忌避剤でイノシシを誘導し、安全な場所で捕獲するシステムの構築も検討している。 取り組みは昨年9月、石川県産業創出支援機構(ISICO)の「いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド」に採択された。長谷川さんは「地域資源を生かし、イノシシに悩む人への選択肢の一つとして提案したい」と話した。