能登各地で11日、今年の漁の始まりを告げる起舟祭が行われ、漁業関係者が大漁と海上の安全を願った。住民総出で海岸清掃に取り組む地域もあり、海の恵みに感謝の思いを新たにした。 定置網漁を営む能登町七見の中田亨さん(61)宅では、海の守護神の金比羅大権現をまつる神棚に「大漁」と書かれた蓬莱(ほうらい)を張り、タイや米、塩、昆布などが供えられた。漁師ら約50人が集まり、日蓮宗本土寺(中能登町)の法花堂(ほっけどう)見(けん)英(えい)住職が祈祷(きとう)した。町内の各漁港では漁船に大漁旗が掲げられた。 七尾市の大泊町集落センターでは、大泊漁業生産組合組合員約30人が漁の安全を祈った。南住神社の大畠義寿宮司が神事を行い、杉原四十栄組合長らが玉串をささげた。杉原組合長は「七尾を元気にできるように頑張ろう」とあいさつした。 志賀町の県漁協西海支所では、組合員ら約60人が出席して行われた。神事が執り行われた後、高岩権治支所運営委員長があいさつした。富来漁港の漁船には大漁旗が掲げられた。 羽咋市の柴垣漁港では、起舟の祭礼「修法祈願祭」が営まれ、青空の下で漁師や家族ら約30人が手を合わせた。日蓮宗本覚寺の濵嚴丈(はまげんじょう)住職ら僧侶4人は読経の後、大漁旗を掲げた漁船やプレジャーボート18隻を順に巡って祈祷した。 志賀町安部屋(あぶや)では、区の起舟祭に合わせ、住民ら約60人が海岸沿いのごみを拾い集めた。発泡スチロールや流木、木くず、プラスチック容器など2トントラック3台分のごみが集まり、ここ数年で最も多くなった。 1月上旬の「爆弾低気圧」や猛烈なしけで大量のごみが海岸に打ち上げられたとみられる。ごみ拾いは毎年この時期に行っているが、今年は量が多かったため、住民総出での回収を呼び掛けた。区長の張江政則さん(65)は「漁師が多い区であり、今後も海岸の清掃に力を入れていきたい」と話した。