いしかわレッドデータブックで絶滅危惧Ⅰ類となっている淡水魚「トミヨ」が生息する能美市粟生町の竹(たけ)藪(やぶ)用水で26日、地元住民でつくる保存会が今年初の生息環境調査を行った。産卵を控えた雌を含む46匹に加え、巣作りに使われる水草が順調に繁殖していることが分かった。昨秋に土砂を除去した効果とみられ、メンバーは「過去10年で最も良い生息環境だ」と喜び、個体数の増加に期待を込めた。 トミヨは体長5センチ程度で、背とわき腹に鋭いとげを持ち、水草で球状の巣を作ることでも知られる。「ハリンコ」とも呼ばれ、年間を通じて水温の変化が少なく、流れの緩やかな小川や水路を好む。 手取川支流の熊田川に合流する竹藪用水では、2015年に水源の湧き水が枯れて生息が危ぶまれたことがあったが、近藤末光会長(69)らハリンコ保存会が17年に個体数を増やして放流した。昨年9月には巣作りに適した多年草の水草「バイカモ」の生育をよくするため、地元生産組合が最上流部の幅約3メートル、長さ約70メートルの水路に蓄積した土砂を除去した。 調査は近藤会長ら保存会員2人が最上流部で行った。見つかったトミヨは大半が体長約6センチと大きく、4月ごろまでの産卵期を前に腹部を膨らませた雌も確認した。 最上流部ではバイカモが約1センチの花を咲かせており、白梅に似た花を楽しむ人の姿も見られた。4月下旬ごろまで見頃という。調査は9月ごろまで週1回程度続ける予定だ。 近藤会長は「過去10年では最も良好な生息環境になったと感じる。多くの稚魚が孵化(ふか)してほしい」と話した。