氷見市に3年前に移住した陶磁器作家の川西知沙さん(38)=本名・道端知沙=が同市大野に工房を開設した。栃木県や岐阜県、小矢部市と制作の場を変えてきたが、氷見の暮らしや里山の風景が気に入った。住民を対象にした陶芸教室の開催を考えており、地域に溶け込んだ創作活動を目指す。 川西さんは富山市出身で京都造形大を卒業し、栃木県益子町や岐阜県の多治見市で修業した。2015年に両親が住む富山市に戻った後は、小矢部の親戚宅に窯を設けて制作活動に取り組んできた。 転機になったのは16年12月に氷見市の会社員男性と結婚したことだった。結婚後は氷見に住みながら小矢部に通っていたが、海と山が近い氷見独特の景観に加え、交通渋滞が少なく生活の利便性も高いところが気に入り、家族の応援が受けられる土地での作陶を考えるようになった。 昨年、約330平方メートルの土地を取得し、今月下旬に木造平屋建ての工房を新築した。広さは小矢部時代の2・5倍で、能越自動車道氷見インターチェンジから近く、県外から訪れる人にも分かりやすい。周囲には田んぼが広がり、里山の稜線に癒やされるという。 川西さんは、象眼の手法を転用した技法で草花や幾何学模様を描いたカップや皿など日常使いの器を制作しており、作品は中国からも引き合いがある。川西さんは「ずっと風来坊のような暮らしだったが、ようやく腰を落ち着けることができた。新しい出会いを刺激に創作を広げたい」と意気込んでいる。