富山駅の南北を走る路面電車の直通運転が21日、始まった。市民や観光客が乗車して駅高架下をくぐり抜け、二つの路面電車のレールがつながったことを実感した。中心市街地や沿線では記念イベントが開かれ、市内は祝祭ムードに包まれた。

 初日は午前5時台の始発から多くの市民が乗車。駅や沿線ではLRT(次世代型路面電車)を撮影する人の姿も見られ、「街なかに遊びに行きやすくなる」「駅北を走っていたポートラムが南側を走る風景は新鮮」といった声が聞かれた。富山駅の停留場では多くの人で混雑してダイヤが大幅に乱れたが、21日午後11時時点で事故によるけが人はいなかった。

 富山市のオーバード・ホールで記念式典があり、森雅志市長や石井隆一知事、佐々木紀国土交通政務官、県選出の国会議員ら約1100人が出席。森市長は「市民100年の夢である南北の市街地の一体化が実現する。コンパクトなまちづくりの大きな到達点だ」とあいさつした。

 女優で特別副市長の柴田理恵さん(富山市八尾地域出身)と中学生5人が「南北接続が明るい将来の第一歩となるように」と願う都市宣言を読み上げた。出席者はマスクを着用し、体温検査して入場するなど、新型コロナウイルス対策が施された。記念イベントも規模を縮小して行われた。

 南北接続は、駅の北側で旧富山ライトレールが運行したLRTと、南側で富山地方鉄道が走らせる市内電車のレールを駅高架下でつなぐ富山市の事業。全国にない取り組みで、全長15・2キロのLRT網が完成した。1908年の富山駅開業以降、100年以上続いた鉄路による市街地の分断が解消された。運賃は全線均一で大人210円。
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