南砺市蓑谷(城端)で、地元名物のコシノヒガンザクラとミズバショウの酵母で仕込んだ"蓑谷ブランド"のどぶろくを造る計画が進められている。地元の若者たちにコメ作りの技術を学んでもらう「農業塾」で収穫したコメを活用。高齢化が進む集落の活性化を目指すとともに、地域の基盤を支えるコメ作りの継承につなげる。

 蓑谷集落は城端地域の中山間地に位置する。この地域の20〜50代男性でつくる「廃れいく集落を真面目に心配する会」(山田清志会長)が2016年に発足。婚活事業や農業振興、狩猟の担い手育成などに取り組み、ハイペースで高齢化が進む集落の活性化策を探っている。

 活動の一つが農業塾。親の世代にコメ作りを任せきりにしている若者が多いことを踏まえ、18年からスタートした。生産したコメで酒を造りたいとの声が上がり、昨年には農事組合法人を設立した。

 生産するどぶろくに地元ならではの特徴を持たせようと、蓑谷の名産を活用することにした。蝋山に自生するコシノヒガンザクラと縄ケ池のミズバショウが県天然記念物に指定されていることから、酵母に活用できないか検討した。

 ミズバショウはメンバーが地元の山田和子さん(79)宅の田んぼの一角で、育ったものを採取した。和子さんは「飲んでみるのが楽しみ」と笑顔を見せる。

 採取したコシノヒガンザクラとミズバショウは県食品研究所で培養してもらい、半年から10カ月ほどで酵母が出来上がるという。酒造りの免許を取得するため、どぶろくを地元の農家レストランで提供する計画があるが、新型コロナウイルスの影響で開業のめどはたっていない。免許の要件が整えば仕込みを開始したい考え。

 山田会長は「市内六つの県指定天然記念物のうち、四つが蓑谷地域にある。地元に素晴らしい宝があるということを広く知ってもらうことにもつながればいい」と話している。
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