関西電力黒部ルートの一般開放に向け、落石で一部通行止めになっている黒部市宇奈月温泉の「とちの森遊歩道」の観光利用を目指す取り組みがスタートした。本年度は、市が看板の修繕や未整備区間の草刈りを行い、地元で発足した観光ガイドの組織「宇奈月ガイドの会『ハートの台地』」が現地研修を予定する。

 とちの森遊歩道は、宇奈月温泉スキー場近くからとちの湯付近まで続く約2・8キロの道。江戸時代に造られた十二貫野用水の跡に沿って整備された。宇奈月ダムのダム湖の眺望や森林浴が楽しめる片道約1時間20分のコースだが、中間地点付近で2013年秋に落石があり、とちの湯側は通行止めになっている。

 24年の黒部ルート一般開放に向け、黒部峡谷の玄関口にある宇奈月温泉は新たな魅力創出が求められる。外国人観光客からはトレッキングコースを求める声があり、温泉街の関係者を中心とする「黒部ルート一般開放に向けての代表者会議」は、同遊歩道の再整備を検討課題の一つに挙げた。

 代表者会議のメンバーらは昨年10月、試験的に現地を視察。遊歩道には崩れた場所もあるため、登山用の装備とガイドの同行が必要であることを再確認した。

 これを受け、宇奈月ガイドの会は今年秋ごろ、遊歩道で研修を行う。研修に向け、市は通行止め区間の草刈りを行う。入り口にある案内看板は文字が読みにくくなっているため修繕する。

 宇奈月ガイドの会の河田稔会長は「宇奈月温泉の新たな魅力として売り出していければいい」と話す。

 遊歩道は落石のほか、イノシシやクマ、サルと遭遇する可能性があることから、観光利用に向けては安全対策が課題となる。市は当面、とちの湯側を通行禁止とし、一般の人は立ち入らないよう呼び掛けている。
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