新潟県胎内市鍬江地区で、里山の資源を使った地域活性化に取り組む地域おこし協力隊員の石尾真穂さん(36)と地元住民が、これまで活用されていなかった地元食材を見つめ直し、新たな息吹を吹き込んだ。目を付けたのは、時代の変遷とともに住民が食べなくなった渋柿と、山に自生するカエデの樹液。渋柿はジャムに、カエデの樹液はメープルシロップにして、市内の観光施設などで7月から販売している。

 鍬江地区は、関川村との境にある山あいの地。渋柿ジャムは、地元住民の庭先に実る柿を利用。少子高齢化などで干し柿を作る人が少なくなり、収穫せずに放置したり、猿害対策で木を伐採したりする住民がいることに、石尾さんが着目し考案した。

 昨年秋に収穫し、ペースト状にした渋柿に、酒かすや甘酒を配合。石尾さんによると、少し渋みがあるため、パンやヨーグルトと一緒に食べるのがお勧めだ。

 メープルシロップは、山に点在するカエデ探しから始め、樹液を採るために週に何度も山を歩き回った。ようやく40リットルの樹液を集めても、煮詰めてメープルシロップとなるのはわずか1リットルほどだという。

 シロップは、今年1〜3月に採れた鍬江産の樹液100%。1月のシロップは色が淡くすっきりとした風味で、3月に近づくにつれて色が濃くなり、コクも増すという。

 石尾さんと定期的に地場産料理を研究している住民らは「捨てていた渋柿がジャムになるなんて、すごいアイデアだ」と喜ぶ。メープルシロップ作りに協力した男性(69)は「カエデの木を探すのが大変だった。甘くておいしいシロップが出来上がってよかった」とほほ笑んだ。

 石尾さんは「地元食材の掘り起こしに力を入れている。収益を使って、鍬江集落の活動や夢を応援できればうれしい」と語った。

 渋柿ジャムは140ミリリットル入り600円。メープルシロップは90ミリリットル入り2500円。道の駅胎内(胎内市下赤谷)のほか、ジャムはロイヤル胎内パークホテル(同市夏井)で販売中。いずれも数量限定。
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