藩政期以前から夕日寺校下の釣部(つるべ)町に伝わるとされる「釣部田んぼ染め」の復活に取り組む同町の保存会が、染色技法を再現した。町内の神社で19日、会員が染めた法被をお披露目し、伝統の田んぼ染め踊りと額を奉納した。保存会は、今月下旬から地元の児童を対象に染色の再現実習を行う予定で、復活した技法を後世へ継承する。
 田んぼ染めは、ヤマウルシなどとともに煮込んだ布を、鉄分を多く含む田んぼに浸すことで、黒く染め上げる技法。明治期以降途絶えていたが、昨年、町の住民や出身者らで保存会を結成して復活に乗りだした。県の地域文化活性化事業にも採択されている。
 染色技法の再現は今年6月下旬から着手。約40年前に当時の住民らが再現を試みた際に作成した資料を頼りとして、染色の専門家で元金沢美大教授の城崎英明さんの助力を得て、大人用と子ども用の法被を各1着ずつ完成させた。背面には「染」の一字を入れた特製のロゴマークを配した。
 19日は、地元の白山神社の例祭と秋祭りに合わせ、完成した法被を校下の住民ら約50人にお披露目した。伝承通り黒く染まった法被を着た竹田惇会長(74)と、会員が復活を祝い、地元に古くから伝わる「田んぼ染め踊り」、踊りと唄の由来や復活に至る道のりを記した額を奉納した。
 保存会は今月下旬から夕日寺小4年生を対象に、田んぼ染めの歴史を学ぶ授業のほか、町内の染色に使う田んぼ(泥場田(どろばた))での体験実習、踊りの練習などを始める。
 来年度以降も定番化させ、技法の継承につなげる狙いで、竹田会長は「地域の宝をみんなで守るとともに、釣部の魅力を発信していきたい。技法の洗練や発展にも取り組む」と話した。
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