2024年度の関西電力黒部ルートの一般開放に向け、県などは高級感のある旅行プランを検討し、23年度末ごろの販売開始を目指す。14日に県民会館であった県の準備会議で、委託先の旅行会社が発表した。客層や宿泊数に応じ、ルートの見学に周辺観光も加えた複数のパターンを用意し、県民向けの日帰り・低価格プランも設けたい方針を示した。

 委託会社はJTB富山支店(富山市桜町)で、会議で企画案を説明した。杉浦孝典支店長は黒部ルートについて「日本や世界を代表する観光資源になり得る素材。プランを磨き、富山県の交流人口拡大に貢献したい」と話した。

 案は、基本方針に「高付加価値」と「商品価値に見合った価格」を掲げ、40代後半から70代をメインターゲットに据える。

 旅行プランには、電源開発の歴史などを語る案内ガイドが付き添う。黒部市宇奈月温泉の宿泊施設を拠点に2泊3日で周辺の魅力を楽しめたり、インバウンド(訪日外国人)を想定して自然体験を組み込んだりといった企画を例に挙げた。県民が参加しやすい仕組みとして、日帰りを含め比較的短期で、安価で楽しめる内容を検討するとした。

 同社はこの案を軸に県や黒部市、観光関係者などと議論を重ね、23年中にプランをつくり、24年1月ごろに販売を始めたいとした。

 会議に出席した観光や交通の関係者は「ガイドの人材確保が課題」「悪天候の際の対応策を」「明確に『県民枠』を設けてほしい」などと意見を述べた。

 桜美林大の渡辺康洋教授は黒部ルートの受け入れ人数は年間最大1万人に限っているとし「高く売らないといけない。プロモーションが大事だ」と述べた。

 黒部ルートは黒部峡谷鉄道の終点、欅平(けやきだいら)と黒部ダムを結ぶ約18キロの物資輸送路。18年10月に県と関電が協定を結んで開放に合意した。関電は現在安全対策を進めており、会議で藤井俊成北陸支社長は、一部工事が新型コロナウイルスの影響で冬季に中断しているとしつつ「工期内の完成に向け頑張っている」と述べた。
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