筑波大発ベンチャーで、低軌道の人工衛星向け通信インフラ事業などを展開するワープスペース(つくば市)は、レーザーを使った「光空間通信」の地上実証実験に乗り出す。県内で早ければ4月にも行い、通信技術の確立につなげていく。

同社は2016年に設立。22年までに3機の衛星を打ち上げ、小型衛星を用いた宇宙空間光通信ネットワークのサービス開始を目指している。昨年11月には県の「いばらき宇宙ビジネス事業化実証プロジェクト」に採択された。

近年の技術開発により、地上500〜800キロの低軌道を回る衛星が増加。従来の大型人工衛星と比べ低コストで打ち上げられる一方、地上と通信できる時間や場所が限られることや、電波の周波数確保などが課題となっている。

同社は顧客として、地球を観測する衛星事業者を想定。複数の顧客の衛星を同社の中継衛星と光空間通信でつなぐことで、リアルタイムの高速・大容量通信サービスの提供を目指す。同社によると、実現すれば世界初。

地上実証実験では中継衛星に使う装置で同時に複数の通信を実施する。大気があることで実際に運用する宇宙空間より厳しい条件となる地上で光空間通信の技術を確かめる。21年には宇宙空間での実証を行い、22年の本番稼働につなげる。

同社は実験に向け、クラウドファンディグで資金を募っている。募集は3月31日までで、目標金額は500万円。資金は試験場の利用料、試験用機材の製造費、利用料などに充てる。支援額に応じ、実験見学や交流会への招待などの返礼がある。

常間地悟最高経営責任者(CEO)は「実験を皮切りに、われわれのビジョンの実現力を証明していきたい」としている。(長洲光司)