原子力規制委員会は25日の定例会合で、日本原子力研究開発機構(原子力機構)大洗研究所(大洗町成田町)にある高温ガス炉の高温工学試験研究炉「HTTR」が、新規制基準に適合したことを意味する「審査書案」を取りまとめ、了承した。事実上の審査合格で、規制委は国の原子力委員会と文部科学相への意見聴取と、意見公募を経て審査書案を正式決定する。原子力機構は2021年1月の運転再開を目指す。

高温ガス炉は原子炉の冷却に水を使う軽水炉と異なり、冷却材にヘリウムガスを用いる。原子力機構によると、燃料も耐熱性に優れた素材で覆われているため炉心溶融が起きにくく、冷却材を失っても自然に冷える設計。軽水炉より安全性が高いとされる。

会合では、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)を審査申請時の350ガルから973ガルに引き上げ、想定する津波の高さは立地場所の海抜約36メートルを下回ることを確認。事故が起きたときの拡大防止や放射性物質が放出した場合の影響緩和の対策も取られていると結論付けた。

規制委の更田豊志委員長を含め、委員5人から異論は出ず、審査書案は了承された。

HTTRは熱出力3万キロワットで、1998年に初臨界に達した。原子炉から出るガスは950度になり、その熱を利用して水素を製造する研究が進められる。原子力機構は14年11月に審査を申請した。 (高岡健作)