新型コロナウイルスの感染者が東京都内で急増していることに、県内自治体も警戒を強めている。県は、都による外出自粛要請に先立つ25日、県民に対して感染拡大地域への移動について「慎重な判断」を呼び掛けるなど、県外からの「持ち込み」に神経をとがらせる。外出自粛要請が首都圏に拡大した26日には、水戸市や取手市なども不要不急の東京方面への外出を控えるよう発信し始めた。

県内の感染者は26日時点で計10人。県によると、このうち4人は欧州やタイなど海外渡航歴があり、ほか2人については都内で感染した疑いがあると分析。残る4人は家庭内感染の疑いとしている。

都内での感染疑いの2人のうち、22日に感染が判明した土浦市の40代女性は、院内感染の疑いがある都内の「永寿総合病院」に勤務。24日に判明した牛久市の40代男性も、発症前に都内の飲食店や遊技施設を訪れていたという。

こうした状況を踏まえ、大井川知事は25日の定例会見で「現在まずターゲットとして考えなければいけないのは、海外や東京をはじめとする感染拡大が進む地域からのウイルスの持ち込みだ」と強調。その上で東京など感染が広がる地域への移動について「慎重な判断をお願いする」と県民に呼び掛けていた。

国勢調査(2015年)によると、本県から都内への通勤・通学者は約6万7千人。東京への流入人口は神奈川、埼玉、千葉の3県に次いで4番目に多く、特に県南地域は東京通勤圏に当たる。このため、県は在宅勤務やフレックスタイムの積極的な活用も呼び掛けている。

県や都の動きに県内市町村も反応した。

水戸市は26日、都内など感染拡大地域への今週末の移動を自粛するよう呼び掛けを開始。ホームページや会員制交流サイト(SNS)などで「急を要しない場合は控えて」と訴え、通勤や通学などで都内への移動が必要な場合には「混雑を避けるなど感染症対策に十分な留意を」と呼び掛けている。

取手市の藤井信吾市長も同日メッセージを公表。つくば市など県南地域で複数の感染者が出ていることから「いつ市内で発生してもおかしくない状況」と危機感を示し、感染が広がる地域への移動については慎重に判断し「不要不急な外出を極力控えてほしい」と市民に協力を求めた。(戸島大樹、前島智仁)