商船三井フェリー(東京)が運航する大洗町と北海道苫小牧市を結ぶフェリーの客足が徐々に戻りつつある。新型コロナウイルス感染拡大で客数が激減したが、8月のお盆期間中は予約でほぼ満室の便も出始めた。今月19日に政府による都道府県境をまたいだ移動の自粛要請も解除され、同社では急減した旅客需要の回復が見込まれる中、船内にウイルスを持ち込ませないための水際対策や利用客数の制限などでリスク低減を図る。

同航路は3月から観光需要が低迷し旅客が減少。緊急事態宣言が発令された4月以降は例年の6割減となり、ゴールデンウイーク期間中は8割減に落ち込んだ。6月に入ってからは緊急事態宣言全面解除を受けて客足には回復の兆しも見えてきた。北海道でのツーリングが目的と見られるオートバイのライダーなどが戻りつつあり、4、5月には1便当たり数十人にとどまっていた客数は100人を超える便も出ている。

夏の観光シーズンとなる7、8月の予約状況は学校の夏休み短縮などで、「家族旅行は例年並みとはいかない」(同社大洗支店)ものの、お盆期間中は帰省客などで好調という。

同社は今年1月から船内スタッフにマスク着用を指示するなど対策を開始。3月からはターミナルで全乗客の検温などを実施している。船内では乗船前に手すりやドアノブなどの消毒を徹底。レストランはビュッフェ形式を止め、単品やセットメニューを提供する方式に変えた。

密集を避けるため、定員を通常の約半数となる300人程度とし、部屋を割り振る際には極力距離を取れるようにした。同社の糟谷祐一大洗支店長は「物流を支えるインフラであり、絶対に船を止めてはいけないという使命感を持って対策していく。安心して乗っていただきたい」と力を込める。

6月に入り、スタッフ用にフェースガードを取り入れたほか、今後も乗船前の検温にサーモグラフィーの導入を検討するなど対策面の改善を進めていく。