Nintendo Switchの『あつまれ どうぶつの森』(任天堂)の勢いがとどまるところを知りません。発売からわずか6週間で世界販売数1,341万本というスーパーヒットを記録。あまりの人気にNintendo Switchの品不足状態が続くなど社会現象となっています。

そこで今回の『ゲーム19XX〜20XX』は、この『どうぶつの森』のシリーズ第1作目が発売された2001年のゲームをピックアップ。この年に発売された名作・話題作を紹介していきます。まずはいつもように2001年のおもな出来事を振り返っておきましょう。

◆アメリカ同時多発テロ事件が発生
この年の9月11日、世界を衝撃が襲いました。ハイジャックされた旅客機がアメリカ・ニューヨークの世界貿易センタービルに激突。2棟のビルが相次いで倒壊するという事件が起きたのです。さらにワシントンの国防総省ビルにも旅客機1機が突っ込み炎上。これらの事件により日本人24人を含む約3,000人が犠牲となりました。

◆小泉純一郎内閣が発足、小泉旋風が巻き起こる
4月に行われた自民党総裁選で小泉純一郎氏が圧倒的な勝利をおさめ、第87代内閣総理大臣となりました。首相となった小泉氏は「聖域なき構造改革」をスローガンに無党派層の絶大な支持を獲得。戦後歴代3位(当時)となる長期政権を築きました。

◆大阪・池田小児童殺傷事件が起きる
6月8日、大阪府池田市の大阪教育大付属池田小学校に包丁を持った男が侵入し、児童らを次々に刺すという事件が発生。児童8人が死亡、児童13人と教師2人が重軽傷を負いました。この事件が与えた衝撃は大きく、学校の安全対策が見直される契機となりました。

◆2001年のおもな流行
ヒット曲:『Can You Keep A Secret?』(宇多田ヒカル)、『Dearest』(浜崎あゆみ)、『明日があるさ』(ウルフルズ、Re:Japan)、『secret base〜君がくれたもの〜』(ZONE)
映画:『千と千尋の神隠し』、『ハリー・ポッターと賢者の石』、『A.I.』、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
マンガ:『鋼の錬金術師』(荒川弘)、『金色のガッシュ!!』(雷句誠)、『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子)、『BLEACH』(久保帯人)
テレビアニメ:『ヒカルの碁』、『テニスの王子様』、『スクライド』

◆ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーゲームキューブ発売
3月21日、任天堂の新携帯ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」が発売されました。ゲームボーイとの互換や最大4人での通信プレイ機能などが注目を集め、発売直後から圧倒的人気を獲得。この年発売されたソフトでは『スーパーマリオUSA』をアレンジした『スーパーマリオアドバンス』(任天堂)、シリーズ初の携帯機向け作品となる『マリオカートアドバンス』(任天堂)などがスマッシュヒットとなっています。

さらに9月14日、「ニンテンドーゲームキューブ」が発売。任天堂が初めてディスクメディアを採用した据置型ゲーム機で、国内では累計出荷台数404万台、海外では1,770万台を記録(※)。この年発売されたソフトでは、おなじみの『スマブラ』シリーズ第2弾となる『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(任天堂)、CMソングも話題となった『ピクミン』(任天堂)、ルイージが主役のアクションゲーム『ルイージマンション』(任天堂)などが人気となりました。

※:数字はいずれも一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会発行の『2019 CESAゲーム白書』より

このように2001年は衝撃的な出来事の多い1年でした。それでは、この年発売された名作ゲームを紹介していきましょう。

どうぶつの森
発売日:2001年4月14日
機種:NINTENDO64
発売元:任天堂

どうぶつたちが住む村で彼らとコミュニケーションを取りながらスローライフを楽しむ、おなじみ『どうぶつの森』のシリーズ第1作目です。発売前はさほど注目されていませんでしたが、女性やファミリー層を中心にじわじわと人気が拡大。売り切れとなるショップが続出するなど好評を得ました。

商売人のたぬきちから借金をして村での生活をスタートする。村には時間が存在していて季節に応じて風景も変わっていく。そして明確な目的はなく、自由気ままな楽しみ方ができる……こうした本作の基本部分は今ではすっかりおなじみのものでしょう。しかし、当時のプレイヤーには非常に新鮮で大きな反響を呼びました。

ひとつの村(カセット)に最大4人が住めるようになっていて、互いにメッセージを送ることも可能になっていました。たとえば夕方に子供が遊んだあと、夜に親がプレイ。子供が作った部屋を見てメッセージを送るなんてこともできるわけです。こうした要素もファミリー層に受けた一因と言えるでしょう。また、64の外部記憶メモリである「コントローラーパック」を使って他のプレイヤーの村を訪問する機能も搭載されていました。これらの要素が通信プレイとマッチして、のちのシリーズ作で爆発的人気を呼ぶこととなったのは、ご存知のとおりです。

かくして本作は予想以上のヒットを記録。ゲームキューブ向けにリニューアルした『どうぶつの森+』も12月に発売され、こちらも大ヒットとなっています。

ファイナルファンタジーX
発売日:2001年7月19日
機種:プレイステーション2
発売元:スクウェア(現スクウェア・エニックス)

『ファイナルファンタジー』シリーズの中でも屈指の人気を誇る名作です。全世界で累計出荷本数860万本(国内320万本)を記録。今年の2月にNHKのBSプレミアムにて放送された「全ファイナルファンタジー大投票」の作品部門でも1位になっており、読者の中にも本作がシリーズ最高傑作だという人はかなりいることでしょう。

主人公の青年ティーダの暮らす都市ザナルカンドに巨大な怪物が現れるところから物語は始まります。怪物に運ばれてスピラと呼ばれる見知らぬ世界に降り立ったティーダは、召喚士の少女ユウナとの出会いをきっかけに冒険の旅に出ることになります。

今でいう異世界転移モノを思わせる始まり方ですが、実はザナルカンドとスピラの間には大きな関わりがあり、ゲームを進めるにつれて、その意外な真実が明らかになっていきます。そして迎える感動のラスト……このカタルシスは非常に大きく、多くのプレイヤーたちが涙しました。

水の表現や背景の描き込みなどビジュアル面のインパクトも絶大でした。ことにムービー時におけるキャラクターの表情の描写は秀逸で、ストーリーを盛り上げると同時にプレイステーション2のマシンパワーを実感させてくれました。今プレイしても十分に楽しい、2000年代を代表する1本です。

真・三國無双2
発売日:2001年9月20日
機種:プレイステーション2
発売元:コーエー(現コーエーテクモゲームス)

三国志の武将たちを操って敵の軍団をなぎ倒していく、ご存知『真・三國無双』シリーズの第2作目にして『無双』人気を確立したアクションゲームです。

ド派手かつ豪快な無双アクションの数々や戦況を見ながら戦いを進めていく戦略性など、本作の見どころはさまざまですが、一番の要素は武将たちのキャラクター性だったような気がします。コスチュームがスタイリッシュだったり、言動や行動が破天荒だったりと、どの武将も個性豊かで魅力たっぷり。ストーリーやイベントも『正史三国志』、『三国志演義』をベースにしつつも、かなりぶっ飛んでいて、史実の枠に縛られない武将たちの活躍に心躍らされました。こうした要素が群がる敵を蹴散らしていく一騎当千の爽快感を、さらに際立たせていたと言えるでしょう。

本作がゲームファンに与えたインパクトは大きく、累計出荷本数117万本を記録。翌2002年8月に新シナリオなどを追加した『真・三國無双2 猛将伝』が発売され、こちらもスマッシュヒットとなるなど『無双』の面白さを世に知らしめました。そして『無双』シリーズは『戦国無双』をはじめ『ガンダム無双』や『ONE PIECE 海賊無双』など、その輪を大きく広げていくことになります。

逆転裁判
発売日:2001年10月12日
機種:ゲームボーイアドバンス
発売元:カプコン

主人公の弁護士・成歩堂龍一が、法廷を舞台に依頼人の無実を証明すべく、さまざまな事件の謎に挑む――のちに『逆転検事』や『大逆転裁判』など数々のスピンオフ作品も生み出した人気シリーズの記念すべき第1作目です。

探偵パートで集めた証拠品や情報などをもとに、法廷パートで被告人や証人を尋問。彼らの発言と「ムジュン」する証拠を突きつけることで相手を揺さぶり、真実を解き明かしていきます。

特に面白いのが法廷での犯人や検事との丁々発止のやり取りで、「異議アリ!」をはじめとする相手の「ムジュン」を突いていくときの演出の数々はケレン味たっぷり。相手が逆襲してきて展開が二転三転するなど、謎が解けていく過程もドラマチックで、スリリングな法廷バトルに誰もが夢中になりました。

コミカルなシーンの数々も見どころのひとつと言えます。行動や言動がやたら奇天烈なキャラクターたちや、「ムジュン」を突かれたときのオーバーすぎるリアクションなどは非常に面白く、いい意味でストーリーを盛り上げていました。もちろんミステリーとしても秀逸で、終盤の怒涛の展開は今プレイしても引き込まれてしまう魅力があります。

ICO
発売日:2001年12月6日
機種:プレイステーション2
発売元:SCE(現SIE)

『ワンダと巨像』(SCE:現SIE)、『人喰いの大鷲トリコ』(SIE)を手がけたことで知られる上田文人氏がゲームデザインとディレクションを務めた初めての作品です。「少女の手を引きながら進んでいく」−−オーソドックスなアクションアドベンチャーに、この要素が加わったことで本作は他に類をみない傑作となりました。

主人公の少年イコが謎の古城で囚われの少女ヨルダと出会い、彼女とふたりで城からの脱出を目指すことになります。イコは自由に操作できますが、ヨルダには簡単な指示を出すことしかできず、先に進むには彼女の手を引いていかなければなりません。しかも、いたるところで謎の黒い影が現れてヨルダを連れ去ろうとします。ちょっと目を離すとピンチになるので、とにかくハラハラさせられたものです。

そんな危なっかしいヨルダですが、一方でひたすらイコを信じてついてきてくれます。その頼りなさと健気さに、思わず「守ってあげなきゃ」という使命感を駆り立てられてしまうのです。ヨルダの手を引くにはボタンを押し続ける必要があるのですが、「絶対に離さないぞ」と思うあまり、ついついボタンを押す操作に力が入ってしまったことをよく覚えています。「手をつなぐ」という行為に、これほど意味を持たせたゲームは初めてだったのではないでしょうか。神秘的かつ抒情的な世界観も素晴らしく、その魅力は発売から約20年経った今も色あせてはいません。

さて、2001年の出来事というと、セガの家庭用ハード事業からの撤退に触れないわけにはいかないでしょう。インターネット接続機能などの先進的な要素で注目を集めたドリームキャストでしたが、セールスは伸び悩みセガの経営悪化の一因となっていました。1月31日、ついにセガはドリームキャストの生産打ち切りと家庭用ハード市場からの撤退を発表。このニュースに多くのセガマニアたちが嘆き悲しみました。

ちなみに、この年に異色の経営シミュレーション『セガガガ』(セガ)がドリームキャストで発売されています。経営難に陥ったセガを救うべく、クリエイターを集めてヒット作の発売を目指すというもので、その自虐的な内容からゲームファンの話題となりました。そのほか『サクラ大戦3〜巴里は燃えているか〜』、『クレイジータクシー2』(いずれもセガ)などがヒット作となっています。

一方、1月26日にNTTドコモがJava技術をベースにした「iアプリ」の提供を開始しています。Java機能を搭載したiモード端末「503iシリーズ」も発売。携帯電話がゲームの新たなプラットフォームとして注目され始めますが、人気作の登場にはまだしばらくの時間が必要でした。

『FF』シリーズの生みの親である坂口博信氏が監督を務めた、映画『ファイナルファンタジー』が公開されたのもこの年です。スクウェア(当時)とハリウッドの本格コラボによる世界初の全編フルCGの映画で、大きな話題となりましたが、残念ながら興行成績は振るいませんでした。

最後に、そのほかの人気作の紹介です。やはりこの年はプレイステーション2が人気で、戦国時代を舞台にしたアクションアドベンチャー『鬼武者』(カプコン)や超人気レースゲームのシリーズ第3作目となる『グランツーリスモ3 A-SPEC』(SCE)などがミリオンヒットを記録。『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』(コナミ)、『Devil May Cry』(カプコン)、『エースコンバット04 シャッタードスカイ』(ナムコ:現バンダイナムコエンターテインメント)などもゲームファンの注目を集めました。

そのほかのハードではゲームボーイの『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵・ルカの旅立ち』(エニックス:現スクウェア・エニックス)がスマッシュヒット。名作『ドラクエIV』をプレイステーションに移植した『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(エニックス)も累計出荷本数100万本超えを達成しています。

アーケードでは超人気音楽ゲーム『太鼓の達人』(ナムコ)の第1作目が登場。バチを使って和太鼓を叩くというシンプルさが幅広い層に受け、大ヒットとなりました。「ガンダムVS.」シリーズの第1作目となる『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン』(バンダイ:現バンダイナムコエンターテインメント)も話題に。本作にさまざまな要素を追加したプレイステーション2用ソフト『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオンDX』も人気作となりました。

いかがだったでしょう。このように『どうぶつの森』は来年で20周年を迎えます。もしかしたら『あつまれ〜』で、これを記念した何かがあるかもしれません。こちらも大いに期待したいですね。