【津】伊勢新聞社政経懇話会6月例会が26日、津市大門の都シティ津であった。玉城町出身で元新聞記者の小説家、外城田川忍氏(70)が「小説でまちおこし〜取材と想像でつくるリアリティ」と題して講演し、「史実を基に夢やロマンを肉付けするのが小説の良さ」と語った。

 新型コロナウイルスの影響で4カ月ぶりに再開。座席の間隔を広げるなどの感染予防対策を取り開いた。

 外城田川氏は玉城町の歴史や文化を題材に小説を書いたきっかけを「18歳で町を離れて以来50年ぶりに故郷に戻り町に貢献するなら書くことしかないと思った」と振り返った。

 同町に伝わる伊勢神宮への奉納舞と斎王を題材にしたデビュー作の「鳥名子舞」、同町田丸地区にあった遊郭を舞台にした第2作「勝田街山壱楼」、大岡越前守と8代将軍吉宗との出会いを描いた最新作「大岡越前守ビギニング」の3作の創作の経緯をそれぞれ紹介。

 いずれも詳しい資料がない中丹念に史実をたどり聞き取りを重ねてイメージを膨らませたとして「記者は調査して取材して100集めて書くのは一つか二つ。苦労でも何でもない」と述べた。

 読者から「ノンフィクションのよう」と言われることについては「創作した部分はあってもルポルタージュのつもりで書いている。新聞記者が小説を書くとこうなる」と説明した。

 外城田川氏は早大商学部卒後産経新聞社に入社。平成21年に定年退職し同28年に故郷の玉城町に移住し執筆活動をしている。