金属製クレジットカードを発行するラグジュアリーカードが、2020年の戦略を発表した。柱は3つ。女性富裕層と、若手経営者、そして新カードの投入だ。

●従来のステータスカードと違う、デジタルネイティブがターゲット

 ラグジュアリーカードは、年会費が5万〜20万円(税別)と高額なクレジットカードだ。おのずとユーザーは、「平均年収1700万円。6割が経営者だ。東京のユーザーだけで見ると3割が港区、世田谷区、渋谷区在住」(林ハミルトン社長)と高収入層になっている。

 収入が高いだけでなく、20〜30代前半のいわゆるミレニアル世代が44%を占めているところに、同カードの特徴がある。物心ついた頃からインターネットがあり、スマホも使いこなす、いわゆるデジタルネイティブ世代だ。

 ラグジュアリーカードは、この世代に響くようサービスをチューニングしてきた。電話ではなくメールを使ってコンシェルジュを利用できたり、サービスを完結して利用できるスマホアプリの提供などだ。従来のステータスカードが、空港などで出張の多い層に勧誘を行っているのに対し、ラグジュアリーカードのマーケティングはデジタルが中心となっている。

 そうした、新富裕層を狙うという戦略から、次のターゲットと定めたのが女性富裕層だ。全世界のラグジュアリーカードでは、女性の会員は半分程度。しかし日本ではまだ1割程度だと林社長は話す。

 国内の女性の就労人口は右肩上がりで伸びており、その新しく生まれる富裕層を獲得する狙いだ。

 同様に、強化するのが若手の経営者だ。法人向けのビジネスカードの成長が著しく、1年間で法人会員は2.7倍に成長した。年会費が高額なラグジュアリーカードだが、それを経費にできるところに魅力がある。また、法人向けカードは個人向けに比べて決済額が大きいという特徴もある。

●新カードは、エントリー向けとさらに上位グレード

 こうした新たなターゲットを開拓するために、20年は新カードも投入する。年会費5万円以下のエントリーレベルカードと、20万円以上のさらに上位グレードのカードだ。

 エントリーカードは、ポテンシャルのある会員を早期に囲い込み、ランクアップを促すことを狙う。「ラグジュアリーカードは金属製以外のカードは出さない」(林社長)というように、素材の違いを武器に優良層を狙う。上位グレードのカードは、今までにない特殊な素材を開発するという。

 併せてこのたび、銀座の会員制バー「VILLA FOCH GINZA」と提携し、優待ラウンジとして利用可能とした。通常、入会金3万円、月会費1万5000円のところ、ラグジュアリーカード会員は無料。ゴールドカード、ブラックカード利用者は飲食代のみ、チタンカード利用者は1回1500円で利用できる。

 カード会員限定メニュー「ラグジュアリーラウンジアワー」では、軽食とドリンク2杯が1名2500円(税込)となっている。