新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、大手外食チェーンはテークアウトやデリバリーを強化している。急激に減少するイートインの売り上げを補うためだ。

 大手回転寿司チェーン「スシロー」を展開するスシローグローバルホールディングスは5月7日、決算説明会でテークアウトとデリバリーの売り上げの推移を明かした。

 2019年10月の消費増税で、持ち帰りの商品には軽減税率が適用されるようになった。そのため、10月のテークアウトとデリバリーの売り上げは120%(対前年同月比、以下同)、11月は123%と順調に伸びた。12月と20年1月はともに113%とやや落ち着いたが、新型コロナの影響が広がり始めた2月には131%、3月には134%と大きく伸びた。デリバリー対応店舗が3月末時点で118店舗まで増加したことも追い風となった。

●手巻き寿司セットを投入

 緊急事態宣言が発令された4月、スシローは高まるテークアウト需要に対応するために「スシロー手巻セット」(税抜1980円、以下同)と「スシロー特上手巻セット」(2980円)を相次いで投入した。ネタ、のり、シャリがセットになっている商品で、テレビCMも活用してお客に訴求した。また、ネット注文サイトをリニューアルし、利便性を高める施策も行った。

 こういった手を打った結果、4月のテークアウトとデリバリーの売り上げは200%(対前年同月比、以下同)を超えた。ただ、全体の業績を見ると、店舗の休業・時短営業の影響で、4月の既存店売上高は55.6%と大きく落ち込んだ。つまり、テークアウトとデリバリーの売り上げは大幅に伸びたものの「一定の下支えに貢献」(スシローGHD)という程度の位置付けだった。

 スシローGHDの幹部は決算説明会で「5月5日の子どもの日には、かつてないほどテークアウトとデリバリーの売り上げが伸びた。(持ち帰った)寿司を家で食べるスタイルが定着するかもしれない」と発言した。新型コロナの収束後、回転寿司チェーンの利用シーンはどのように変化するのだろうか。