ローソンは10月21日、ご褒美スイーツ「ウチカフェスペシャリテ」シリーズの新商品を10月27日から順次発売すると発表した。コロナ禍によって生じた日々の疲れ・ストレスを解消するための「ちょっとした贅沢(ぜいたく)」や「癒やし」を提供するのが狙い。

 ウチカフェスペシャリテは、素材やメニューのシンプルなおいしさを追求したシリーズ。10月27日に、「雲泡クリームのショート」と「麗溶(うるど)けチーズテリーヌ」(いずれも税込295円、以下同)、そして「栗堪能モンブラン」(320円)を発売する。11月3日には「ほくとろ豊潤スイートポテト」(270円)を投入する。

●コロナ禍で消費行動が変化

 新シリーズが誕生した背景にあるのは、コロナ禍による消費者の行動変化だ。

 凸版印刷のグループ会社が運営する国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」は、20年6月26日〜7月2日に全国の女性1万3689人を対象にインターネット上で調査を行った。

 3カ月以内に自分にごほうびをあげた理由を尋ねると、「コロナの自粛生活を楽しく過ごすため」や「なかなか外出できずストレス発散したかった」といった回答があった。

 また、「自分へのごほうびの内容を教えてください(複数回答)」という質問に対して、最も多かった回答は「スイーツを食べる」(58.2%)で、「洋服など服飾系の購入」(34.0%)、「食事を豪華にする」(28.9%)、「お酒を飲む」(17.0%)と続いた。さらに、「スイーツをどこで購入しましたか?(複数回答)」と尋ねると、1位が「スーパー」(64.4%)で、2位は「コンビニ」(49.5%)となった。

●消費者のストレスや不安が高まる

 ローソンでは、コロナ禍の影響により「外出自粛」「衛生の徹底」「3密の回避」「働き方の変化」といった新しい生活スタイルが広まることで、消費者がストレスや不安を強く感じていると判断。開発を担当した吉田祐子氏(商品本部 商品コンセプト開発部)は、コロナ疲れを癒やすようなスイーツをコンビニで購入するニーズが高まっていると考えたという。

 実際、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した20年3〜9月、ローソンにおけるチルド和洋菓子の売り上げは前年同期比で約1割増加したという。特に、高額なGODIVA監修の商品などが好調で、プチ贅沢ニーズが高まっていることがうかがえる。

 新シリーズの商品は、既存のスイーツとの差別化も試みている。大ヒットしたバスチーなどの「新感覚スイーツ」は、消費者にワクワクや驚きを発見する役割がある。また、定番のシュークリームやロールケーキは「ほっとする」「安心」という価値を提供する。350円以上するGODIVA監修スイーツは「思い切りぜいたくしたい!」というニーズに対応している。そこで、GODIVA監修の商品とは違うご褒美感・ぜいたく感を演出しつつ、その日の気分に合わせて選べるスイーツを目指した。

●各商品の特徴

 商品の開発に当たっては、スイーツの「特化型専門店」が増えていることも考慮した。担当者の調査では、18年にはモンブラン専門店、カスタード専門店、スイートポテト専門店などが流行。さらに、19年になるとバターにこだわった専門店やガトーショコラ専門店などが注目されるようになった。いずれも、特定の素材やメニューにこだわっているのが強みだ。

 新商品の雲泡クリームのショートは、クリームにこだわった一品。内側と外側で異なる2種類のクリームを使うことで、味わいに変化を出しているのが特徴だ。

 栗堪能モンブランは栗を強調する商品だ。マロン風味チョコでコーティングしたメレンゲ生地の上に、マロンバタークリーム、マロンスポンジ、マロンホイップクリームなどをのせている。

 麗溶けチーズテリーヌは、オーストラリア産クリームチーズ、北海道産クリームチーズ、北海道産生クリームを合わせて低温で湯煎焼きにした商品だ。

 ほくとろ豊潤スイートポテトは、パイ生地の上に金時芋を使用した蒸しいもあんと、紅あずまを使った焼きいもあんを重ねている。

 いずれも、「行列せずに、遠くに行かずに話題のスイーツが食べたい」「ちょっとした非日常を味わいたい」「今日1日の気分を格上げしてくれるスイーツがほしい」といったニーズに対応するのが狙いだ。

●ラインアップを拡大してきたローソンのスイーツ

 ローソンがオリジナルスイーツブランド「ウチカフェスイーツ」を立ち上げたのは2009年。中でも「プレミアムロールケーキ」は大ヒット商品になり、発売から累計で4億個以上売れている(20年9月末時点)。

 同シリーズの登場により、ローソンにおけるスイーツの主な購買層は20〜30代の男性から20〜30代の女性にシフト。購買シーンもたばこや缶コーヒーのついで買いから、「あのスイーツを食べよう」という目的買いに変化したという。その後、「和洋折衷スイーツ」「GODIVA社との共同開発商品」「新感覚スイーツのバスチー」といったように、スイーツのラインアップは拡大していった。

 新たに開発したウチカフェスペシャリテは、消費者のコロナ疲れを癒やすポジションを獲得できるか。